浜名湖は浜名湖ドウマンの季節 ドウマンのメスとオス

カテゴリー │雄踏港市場のお魚さん



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

浜名湖の秋の深まりと共に浜名湖に流れ入る河川からはセイゴやスズキが下り、深みに入ったマハゼが漁の網にかかるようになり、そして国のGIブランドとして申請される浜名湖ドウマンはメスの水揚げの盛りが始まっています。

今朝は浜名湖ドウマンのメスとオスを紹介いたします。

写真はメス。腹のふんどし(ハカマ)が大きいことから容易にメスだと判別できます。オスほど巨大なツメは持ちませんが他のワタリガニと比べれば大きなツメにその名の由来となった丸く感ずる甲羅を持っています。



ドウマンのメスを甲羅側から見れば大きなツメを持つハサミ脚が甲羅に隠れるように見えています。オスは甲羅から大きくはみ出すことからもメスを判別できます。

秋のメスは内子(甲羅の中の卵)を持つことが期待できます。



こちらがドウマンのオスです。体に比べ巨大といえる大きなツメを持つことが特徴です。メスに比べて小さなフンドシで判別ができます。

浜名湖の砂底の牡蠣など堅い貝殻なども容易に割ることができるため、オス・メスとも市場以降の流通での安全を図るため、漁師さんはツメを甲羅に押しつけるように縛って水揚げしています。



ドウマンのオスは甲羅から大きくはみ出した大きなツメを持っています。全体的にいかつく、大きいことも特徴です。
最大で1kgを超えるものも水揚げされています。

ドウマンの種名はトゲノコギリガザミといいますが、甲羅の周りのギザギザが特徴的、メスのギザギザの方が鋭いともいわれます。

浜名湖の秋はドウマンのメスが多く水揚げされる季節、来年のブランド化を前に浜名湖ものを扱う仲買さん・魚屋さんや販売店でお買いになりお楽しみください。

浜名湖ものの水揚げ状況は「海老仙 浜名湖遠州灘の魚介類・うなぎの販売」でご覧ください。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏市場の漁師さん・仲買さん
雄踏港市場のお魚さん




 

舞阪港豊國丸高倉船長 今期最大3.4kgのクロムツ揚げる

カテゴリー │舞阪港市場のお魚さん☆舞阪港漁師ブランドのお魚



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は遠州灘に漁する漁師さんの水揚げ市場です。

今日は活マダイを揚げるタイ網漁が豊漁、次々と水揚げされる見事な活ダイが舞阪の活気を上げる中、アカムツ(ノドグロ)縦はえ縄漁の豊國丸が凱旋しました。

「いいのが揚がったよ!」と見事なクロムツを見せてくれたのが豊國丸の高倉船長です。



船長が揚げたのはなんと3.4kgもの大物、狙いのアカムツ(最大でも1kg超えほど)に比べ数が少なく貴重なクロムツはこれほど大きなものが揚がることは滅多にありません。

さらに腹がでっぷりとした超大物といえるクロムツです。



パックリと開いた口にはアカムツには見られない鋭く小さな歯がズラリと並び、その名のとおり金属を思わせる黒銀の体が特徴です。

貴重ではありますが数が獲れるアカムツより水揚げ数が極端に少ない舞阪漁港のクロムツ、高倉船長の揚げた大物の紹介です。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港豊國丸高倉船長
舞阪港漁師ブランドの魚
舞阪漁港市場のお魚さん




 

ニホンウナギ資源回復願い遠州灘に親ウナギ放流

カテゴリー │浜名湖のうなぎ・親うなぎ放流



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

昨日実施され既にテレビ報道、静岡新聞・中日新聞などメディアでもお伝えされています浜名湖発 親うなぎ放流事業の第一回放流が行われ、同行してきました。詳細は後日さまざまにお伝えしますが速報いたします。



浜名湖に流れ入る川に棲む天然ウナギはこの季節に海である浜名湖に下ります。

その中から親うなぎ(メスは10歳ほど・オスは4歳以上)を選別し、市場で買い上げて遠州灘に放ち、遠く西太平洋のグアム島に近いマリアナ海溝付近の産卵場への旅を助けるのが既に7年続くプロジェクトです。

昨日の午後、放流出港する舞阪漁港にはこのプロジェクトに関わる浜名湖のうなぎ関連団体・業者の代表、漁師さん、多数のメディアが集まり旅する親うなぎを見送りいただきました。



第一回放流に集めた親ウナギは105.7kg、263匹、写真で見れば大きく太いウナギが10歳ほどの成熟したメスのウナギ、細く見える方はオスのウナギです。

成熟した親ウナギは銀化(ぎんけ)という体色の変化を見せ、黄ウナギと呼ばれる天然うなぎとは色が違います。旅にむけてヒレが大きくなり、浮き袋が発達し、また卵巣などが発達するといいます。



放流のために借り上げた舞阪漁港の漁船2艘で舞阪沖への放流に向かいました。

今年の放流は買い上げ資金の一部をクラウドファンディングのFAAVO静岡を活用し浜名湖発「ニホンウナギ資源回復プロジェクト」として支援いただくことなどにより広く支援の輪を広げています。

今後も続く放流事業、ここでまた放流連絡会の会長を務める海老仙(加茂仙一郎社長)のサイトで紹介してまいります。
応援ください。




 

浜名湖の親うなぎ本日第一回放流日 「未来につなごう、ウナギの資源と食文化」

カテゴリー │雄踏港市場のお魚さん浜名湖のうなぎ・親うなぎ放流



※産卵期を迎え銀化(黒褐色)になった親うなぎ

「未来につなごう、ウナギの資源と食文化」、豊かな浜名湖に育つ親うなぎの産卵の旅を助ける「浜名湖発 親うなぎ放流連絡会」の今年度第一回の放流が本日午後行われます。

うなぎ養殖の発祥地でありウナギの食文化を持ち広げる浜名湖には10年も育った親ウナギが棲んでいます。

シラスウナギ減少から絶滅危惧種とまでされたニホンウナギを守ろうと、浜名湖発 親うなぎ放流連絡会は2011年から親うなぎの放流をはじめ、昨年度は約410キロの放流実績をあげています。



今年は従来からの浜松市・湖西市に加え静岡県の協力を得、さらに広く活動を伝えようとFAAVO静岡を活用して「浜名湖発「ニホンウナギ資源回復プロジェクト」でクラウドファンディングで買い上げ資金の支援を募る活動を行っています(9月1日~10月30日)

今日午後の放流は第一回として約160本・80キロの親うなぎを遠州灘へ運び放流します。



ニホンウナギは産卵期を迎えると銀化(ぎんけ)し、グアム島に近い西太平洋のマリアナ海溝周辺に産卵へ旅して産卵を行います。
孵化した幼生は育ちながらまた日本へと戻ってきます。

多くの支援を受け今年も浜名湖から旅立つウナギがウナギの資源と食文化を未来に繋ぎます。
本日の放流の様子は新聞各社・テレビで放送される予定です。応援ください。

南浜名湖FISH&TIPSは浜名湖発 親うなぎ放流連絡会の取材チームとして同行いたします。




 

浜名湖雄踏たきや漁の実力 大ヒラメ・大マゴチ並ぶ水揚げ

カテゴリー │雄踏港市場のお魚さん



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

風や波のない静かな夜、浜名湖雄踏の漁師さんは専用の小舟で砂底を照らしながら魚やカニを探て獲っています。初夏から秋のはじまりまで観光漁としても楽しめる浜名湖の伝統漁のひとつ”たきや漁”です。

観光漁の季節は9月末で終わりましたがこの季節もたきや漁は続いています。今朝の雄踏市場にたきやの漁果がズラリと並びました。



今日の話題は90センチオーバーの大ヒラメ、釣りでは座布団ヒラメとも呼ばれる大物です。

ヒラメは写真では薄く写りますが、実際は掴むほどの厚さを持っています。ヒラメが入ったタライはじつはセメントをこねるためのもの、時に大物が揚がるためにたきや漁師さんは巨大な桶やタライを用意しています。



この季節にたきや漁師さんが狙う魚にマゴチがあります。巨大に育ち夏と冬に丸々と太るマゴチが浜名湖の市場に揚がっています。

かつて突き漁とされていた”たきや漁”は漁師さんの工夫と技術で今は大ダモですくう漁に進化しています。
傷がない浜名湖の大物活魚として人気を集めています。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏市場の漁師さん
雄踏港市場のお魚さん




 

今日もよいドウマンが揃ったヨ!よらっせYUTOはFecebookでも活躍

カテゴリー │☆海鮮野菜お土産「よらっせYUTO」



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

来年には国のGI(地理的表示保護制度)で浜名湖を代表するブランドとなる予定の浜名湖ドウマンは、秋のメスの水揚げ最盛期を迎えています。

浜名湖の幸が集まる早朝の雄踏市場で、市場に近い「浜名湖の魚やカニ・エビが買えるコンビニ」ことよらっせYUTOの井口大将に浜名湖ドウマンを見せていただきました。



大将が市場で直接目利きして揃えるドウマンは丸々と育ったメス、この時期は内子(甲羅の中の卵)を持つことが期待できるメスのドウマンが人気を集めています。

「ワタリガニよりさらに濃い味を楽しんでみて」と大将は旬のドウマンを販売しています。



この写真はよらっせYUTOの人気Facebookに掲載された茹でたメスドウマン、金赤の内子がたっぷりの内子が満ちています。

浜名湖への行き帰り、よらっせYUTOで旬の浜名湖ドウマンをまずはご覧ください。そして「おいしいですよ」

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 よらっせYUTO井口大将
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舞阪漁港のタイ網漁、船までは海の幸福丸

カテゴリー │舞阪港市場のお魚さん



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は遠州灘の海がそのまま続く水揚げ市場です。

この季節に遠州灘の勢いそのままに舞阪漁港に水揚げされるのがタイ網漁(10月16日~年末まで)の活マダイです。



タイ網漁の舞阪港幸福丸は遠州灘で網を曳き、船上に揚げた網から船首デッキにあるカンコウ(生け簀)にマダイを放ち、船の小さな海を泳がせて舞阪漁港に横付けします。



舞阪漁港に着いたマダイはカンコウから大ダモですくいあげられて小さなタライの海へと放たれます。

海の勢いのまま大きさ別に大ダルに分けて水揚げする。漁師さんは活魚のバトンを競り場へと繋ぎます。



海を泳ぐ勢いで網に入り、船のカンコウの海を泳ぎ、大ダライでその美しさ・大きさで大ダルへと分けられます。

船の上までが遠州灘、遠州灘を泳ぐままに力持ちの漁師さんが競り場へと持ち上げます。

「活かし」と呼ばれる活魚の競りはまさに船の横で行い、競り落とした仲買さんは急いで市場の生け簀へと活マダイを放ちます。

こうして活かしのリレーを経て、舞阪漁港の活マダイとなるのです。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港幸福丸
舞阪漁港市場のお魚さん




 

舞阪漁港はサワラの季節 丸小水産ばあばのオススメ

カテゴリー │☆丸小水産ばあばのオススメ



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は、遠州灘に漁する漁師さんの水揚げ市場です。

「今日は大きなサワラが揚がってるよ!」、秋のタイ網漁で獲れたサワラを見せていただいたのは魚屋人生55年、市場の誰もが「ばあば!」と呼び慕う丸小水産(まるこすいさん)のばあばです。



サワラは「鰆」と書くように春の魚と思われがちですが舞阪ではむしろ冬の魚、この季節には活マダイを揚げる網にかかり、12月になれば専門漁もはじまる冬の魚です。

舞阪の漁師衆は自ら獲ったサワラを年末の贈答にも使うほど、おいしく貴重な魚でもあります。

サワラといえば幕の内弁当に入っている、あの小さな切り身の焼き魚、あのおいしい魚はじつは1メートルもあり数キロもの大きな魚とは知らない方も多いことでしょう。

一本買えばあのおいしい切り身がどっさりととれる。舞阪漁師衆の贈答魚として重宝されるわけですね。

舞阪のタイ網漁出漁日に混獲されて市場に並ぶサワラ、丸小水産のばあばの直売店でお求めください。

※取材協力:浜名漁協 丸小水産のばあば
丸小水産ばあばのオススメ
舞阪漁港市場のお魚さん




 

浜名湖雄踏市場 砂に刺さるハボウキガイ 

カテゴリー │浜名湖生き物みつけ隊!



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。
浜名湖は魚だけでなく特産のアサリやさまざまな貝が育つ海です。

早朝の雄踏市場にハボウキガイが揚がりました(前回紹介時にお教えいただいた)。市場では似ているタイラギ(タイラガイ)とされていますが、やや小型で幅が小さいことが特徴です。
ホウキという名のとおり、尖った持ち手から広がったホウキ型から名づけられたのでしょう。



ハボウキガイはこのくらいの大きさがあり、漁師さんに聞けば浜名湖の砂底に尖った方が刺さった形で口を開いているそうです。

大きな貝ですが食べられるのは貝柱、これもタイラギよりこの貝は小さいのだそうです。

見かける時には何枚もの貝が刺さっているというタイラギやハボウキガイ、そんな姿を見てみたいものですね。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 舞阪漁師渡邊正一さん
浜名湖生き物みつけ隊!
雄踏港市場のお魚さん



 

今年一番のアユカケ 福井県では文化財のアラレガコ

カテゴリー │浜名湖生き物みつけ隊!



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

と紹介する浜名湖とその幸。さらに流れ入る川から浜名湖へ下る魚にとっては海でもある浜名湖です。

寒さを感ずるようになれば浜名湖の漁はマハゼの水揚げの季節となります。ハゼは浜名湖から川に広く棲み、冬に温かい浜名湖に下ってきます。その中にアユカケ(カマキリ)が混ざります。カジカの仲間の頭が大きなハゼのような魚です。

今朝その一匹目が浜名湖の雄踏市場に揚がりました。



アユカケという名、また別名であるカマキリという名前は大きな頭のエラの端にあるフックのようなカギを持つことから、アユを引っかけて獲り、食べると言われているからです。

昨年かな、アユカケは福井県の天然記念物・天然記念物であるとテレビの放送で知りました。

福井の文化財:アラレガコ

大切にされ養殖するなどで保たれている福井のアユカケは雪国らしく「アラレガコ」と風流な名前で呼ばれています。

同じ魚が浜名湖に流れ入る川にも棲み、この季節にハゼと混ざって市場にやってきています。

もちろん食べられる魚ですが、浜名湖の市場にやってきたアユカケは浜名湖の生き物を紹介する小さな水族館ウォット(浜名湖体験学習施設ウォット)へと寄贈されています。

この魚を見るようになれば浜名湖にも冬がやってきます。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏漁師加茂武さん
浜名湖生き物みつけ隊!
雄踏港市場のお魚さん