南浜名湖あそび隊もっと南へ!

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「あそび隊は弁天島から海を眺めてるだけではいかーん!」

「それでは隊長、どうすれば」手下は隊長を見る。

「もっと南を目指せ!」隊長はクラーク博士のように南に指
を指した。

あそび隊取材班だに~とだら右衛門は車に乗り南を目指す。
そう南浜名湖弁天島から海につながる「今切口(いまぎれ
ぐち」を目指したのです。

弁天島から西へ三番鉄橋を渡り南へ、釣り人のパラダイス
新居海釣り公園に到着します。
ここは有料駐車場となっていますが、うれしいことに1時間
無料、「もらう ひろう ただ」が大好きなだに~も「うに
ゃうにゃ」と喜ぶよいところなのです。



いつもは南の海を眺める弁天島がこちらからは一望できます。
国道一号浜名バイパスの浜名湖大橋が招いています。
そしてあそび隊は今切れ口へと胸を張って進んでゆくのです!



今切口は200mの幅を持つ浜名湖と海がつながるところです。
浜名湖はこの今切口から潮の干満の影響を受けています。
そこはもう南の海そのものなのです。

「う!うみ坊主!」

深い海はマリンブルーに透き通っています。ザブンザブンと
波を受ける巨大なテトラポットが護岸を守っています。
覗き込めば吸い込まれそうな太平洋がそこにあるのです。

「こわいよう」

さて、これはどちらが発した言葉だったのか・・
この先の太平洋へ向かう護岸の先に多くの冒険者たちが見
えています。

今切口はこの水路の厳しい海流に育つ魚たちに挑戦する釣り
人のメッカなのです。

南浜名湖あそび隊は急速にあやしい探検隊と化して進んでゆ
くのでありました。

つづく



 

弁天島うなうな発見記

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そろそろ昼時、南浜名湖の美食家のお話のはじまりはじまり。


南浜名湖あそび隊!分隊あやしい探検隊のだに~であります!

分隊事務所で見張り中に弁天島にあやしい動きをするトリが!

「タダチニ調査セヨ」(隊長)

200ミリ望遠で覗きますと、南浜名湖のトリの「鵜(う)」が
なにやら長ながとした獲物をくわえている。

「撮影はじめーっ!」(隊長)



獲物は浜名湖と言えば「ウナギ」、それも天然物をくわえた
鵜が呑みこめずにいるとう図であります。

弁天島沖5mの海上でウナギと格闘する鵜一羽、それをうらや
ましそうにするトンビ2羽、仲間の鵜3~4羽、あそび隊3名が見
守る中、鵜は格闘していたのであります!



一度は陸上戦にもちこみ、トンビにウナギをさらわれそうにな
りますが、鵜は強し、ウナギをちぎって見事飲み込んだのであ
ります。

ただーし、鵜の首ほどの太さのウナギを飲みこんだものだから
鵜はさすがに苦しそう。
水を呑み、天を向いて何度も飲み下し動作を行ったのでありま
した。

やがて飛び立った南浜名湖鵜(う)はあまりの首の重さに水平
線から約10センチほどの高度でねぐらに向かったのでありまし
た!

報告以上! 隊ではウナギは出ず、うらやましいだに~でした^^



 

今切口に潜むカメノテ星人

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新居浜海水浴場の南、有料駐車場の中に新居海釣り公園はあり
ます。
うれしいことに最初1時間無料で南浜名湖の自然を眺めること
ができるところです。

公園から浜名湖が海に繋がるところ「今切口(いまぎれぐち)」
に向かうことができるのです。

南浜名湖あやしい探検隊!は今切を目指します。200mの幅を持
つ今切口へは歩道があり危険はありませんが、手すりなどはあ
りませんから「よいこ」は子供だけで行ってはいけません。



南の海につながる急流の水路には太平洋の水が流れています。
巨大なテトラポットを見ればそこにはたくさんの海の生物が棲ん
でいるのがわかります。

そして探検隊は弁天島遊船組合の間瀬組合長からある秘密の使命
を受けていたのでありました。

「今切口にはカメノテ星人が棲んでいるのだ」

うーむ、カメノテとはフジツボの一種、テトラポットや護岸堤に
付着しているオトナシイ生物ですが、ウジャウジャと侵略を続け
るところが怪しいのです。

ところが南浜名湖人はその侵略に負けはしないのです。
カメノテの殻の中に有る肉は食用となり、茹でて汁物のだしなど
に用いてウマウマと食べてしまうのです。



そしてカメノテ星人を探す探検隊は足元のテトラポットの下深い
洞窟の中でそれを見つけたのでありました。



拡大して見ただに~隊員は「キャッ(ト)!」と叫ぶ。
そこには亀の手に似ているからカメノテと名づけられた生物が
繁殖していたのでありました。

しかーし!それをウマウマと食ってしまう南浜名湖人はさらに
強い!「酒の肴にするとウマイんだなあ」と聞けば喉を鳴らして
しまう隊員なのでありました。



 

さらば南の果て今切ビーチ

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日本で10番目の大きさを持ち周囲長114キロともの浜名湖が
海に繋がっているところはわずか200mの今切口(いまぎれ
ぐち)を南浜名湖あやしい探検隊は行く。

「みよあれが AH! パシフィィイック」(だに~は語尾だけ
エーチャン風に言う」

浜名湖は海に繋がっている。ゆえに海である。南浜名湖はあ
の太陽のビーチ、フロリダと同じ海とつながっているのだ。

潮の干満の影響を受ける浜名湖の海はこの水道といってよい
狭い今切口をゴウゴウと流れ出し流れこんでいる。
(今日はシリアスかつかっこよく書くのである)



左はゴウゴウの断崖の下の海峡であり、そして右を見ればま
るで「AH! パシフィィイック」の海でありビーチである。

いざ!帰ろう友よ、ダニーが振り返り我が南浜名湖を向く。



車で走ればまるで海の上を行くような国道一号線浜名バイパ
スのさらに南に来た探検隊。
その向こうにはわが町南浜名湖が待っている。



「さ、帰ろうぜだらえもん」

今切口を行くボートと同じくダニ~は今切口をターンする。

我ら南浜名湖のさらに南を踏破した。(ほどではないが)
そして確かに浜名湖が海と繋がっていることを確認したので
ある。

「隊長は双眼鏡で見ているかな」「見てるだろうな」
「ならば行くか」

急速に二人はアメリカ海兵隊の教官と新入隊員のノリとな
る。

二人は声高らかに走り掛け声をかけてゆく。

「南浜名湖砂まみれ~」「南浜名湖砂まみれ~」
(ザクザクザクザク)

「砂にアサリがどっさりだ~」「砂にアサリがどっさりだ~」
(ザクザクザクザク)

第1回南浜名湖あそび隊あやしい探検隊、任務完了!



 

南浜名湖あそび隊さらに南へ!

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「ゴンゴンゴンゴン」船のディーゼルエンジンはうなり舞阪港
近くの岸壁を離れた5トン級の漁船は深夜0:30の浜名湖を行く。

南浜名湖あそび隊!内。あやしい探検隊は前日の浜名湖今切口を
行くシラス漁船団の撮影を終え、「船団」のエンジン音響く海
に大コーフンしていたのです。

そこに一人の男が誘いの言葉をつぶやいた。

「南浜名湖あやしき探検隊よ今切口を抜けて海へ出よ」

探検とはまず現場を体験して体感することである。海のことを
書くならば海の漁を知らずして探検隊とは言わず。



体験してみるかい、と誘っていただいたのは千葉丸、待ち合わせ
時間は深夜0時、貸していただいた漁師用の防水服、救命胴衣を
キリリと締めれば気持ちが引き締まるのです。

昨日見たばかりの今切口を海に向かう勇敢な船に、今度は自分が
載っている。ゴンゴンゴンゴンのエンジン音は耳だけでなく体に
響いているのです。

向かうは潮見坂沖、前日仕掛けた刺し網をあげて遠州灘の魚を
引き揚げに行くのです。



千葉丸の大場船長は海の男である。
ゴウゴウと船を走らせ沿岸沿いに網を仕掛けた場所に到着し網を
揚げ始めるのです。

「大丈夫かい」「ハ、ハイ」



刺し網漁は巻き取るのに1時間もかかる長い網を海に長く開き沈
め、そこを泳ぎ通る魚をからめとる漁法です。
網の巻き上げが始まると早くも下平目(ウシノシタ)が揚がって
きます。

そして次々と遠州灘の魚たちが夜の海から揚がってきたのです。

つづく。



 

南浜名湖あやしい探検隊さらに南へ2

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夜の闇はヒトをコーフンさせる。ましてや夜の海に出漁する
漁師さんの船に乗って行くなどとくれば究極のコーフンとな
るのです。

先日刺し網漁の網の巻き上げに同行させていただいたのは舞
阪港の千葉丸の大場船長さんでした。

「最近がんばってるから、一度経験してみる?」の言葉に
ウンウンとうなずいて真夜中出航の船に乗せていただいたの
でした。

潮見坂沖の遠州灘、巻き上げに1時間もかかるという長い刺
し網が巻き上げ機であがってきます。
そこにドタドタ、バタバタ、ニョロンニョロンとさまざまな
魚があがってくるのです。



ニョロンバタンバタンと揚がってきたのはこの異形の魚、、
というよりヘビかと思って後ずさりするほど後ろはなし、板
子一枚外は海ナノヨという状況で逃げられない。

2メートルほどもある「ギンアナゴ」という名ばかりは美味し
そうですがヘビ嫌いにはたまらない。
クワッと開いた口には鋭い歯がズラーリという怪物なのです。

それでも船長は顔色ひとつ変えず、「あまり美味くない」な
とと平然と言うのです。



そして揚がってきたのは高級魚のホウボウです。
青緑の羽のような胸ビレを広げたこの魚、「ボウボウ」と鳴
くから「ホウボウ」なんですって。
面白いですね!

ボウボウのホウボウは文字通りエラがはった面白い顔、ホッ
とする間もなく、あのハンマーヘッドシャーク、撞木サメなど
もあがってくる。

私、異形系だめなんです。

「ビビリだなあ」と笑われながらも揺れる船の後ろいっぱいに
逃げていた探検隊なのでした。

まだまだ続く。



 

南浜名湖あやしい探検隊さらに南へ3

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南浜名湖のあそびを紹介するならば、眺めていないで突撃す
べし!

南浜名湖あそび隊内あやしき探検隊は今切口から海に向かう
千葉丸の大場船長のご厚意で刺し網漁に同行させていただき
ました。

刺し網漁は前日に昼間仕掛けた網を真夜中に巻き上げる漁、
揚げるのに一時間を要するほど長い網を使います。

碇を基点に高さ1.8mほどの網が海の底に立つ、泳いできた
魚は粗い目の網につっこんで動けなくなってしまうという
網です。



高級なワタリガニがかかります。漁が少なくなったと言わ
れるワタリガニは浜名湖舞阪港をイメージするカニです。
その他に甲羅にHの字が浮かぶ通称Hガニも揚がります。



浜の投げ釣りで狙う美味しいイシモチがあがります。
ホウボウが「ボウボウ」ならばイシモチは「グウグウ」と
鳴くのです。

刺し網はさまざまな魚が獲れるから面白い、ただ見てるだ
での探検隊は「これなんですか!」「わっ気持ち悪い!」
「海って気持ちいいですね」などとうるさいこと。

大場船長にご迷惑をかけてしまいました。

さあ!3時間の漁が終わります。船はまた遠州灘から今切口
の灯台を目指し舞阪港に帰港します。

真っ暗な海にゴオンゴオンとエンジンがうなり走りますが
周りの船をレーダーで注意しながら進みます。

「船長!3時の方向に敵巡洋艦発見!」帰りとなれば安心
して口が軽くなるあやしい探検隊なのでした。



 

南浜名湖あやしい探検隊さらに南へ4

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さあ帰ろう!遠州灘の愛知県境近く潮見坂沖で刺し網漁を終
えた千葉丸が今切口を目指します。

ひと網1時間ほどもかかる網揚げを終えて遠州灘の幸を運び
ます。

早朝4時近い海はまだ夜明け前、レーダーと灯台の灯だけを
頼りの航行は漁に同行させていただき無事帰港できる喜びと
海の男の仕事を見せていただいた喜びがあるのです。

今切口の先端にある赤い灯台はほぼ5秒ごとに点滅します。
その目印に向けて舵を切るのです。



「問屋行こう」、千葉丸は真っ暗な中に浮かび上がる舞阪港
に接岸します。
そして生簀(ライブウェル)から網でヒラメ、ワタリガニ、
ホウボウなどの魚をボウラにあけて港の生簀に移します。
この生簀の魚を朝のセリにかけるのです。

夜明け前に港に戻るのは日の出操業のシラコ船(シラス漁船)
が狭い今切口を出てゆく邪魔にならぬようにという船長の配
慮です。
言わずとも守るルールを海の男たちは守るのです。



再び舞阪港を離れた千葉丸は新港(舞阪港より今切口に近い)
の係留場所に戻ります。
そこには夜目にも明るい船小屋が待っています。
刺し網から魚をはずすおじさんとお母さんが待っています。

つづく



 

南浜名湖あやしい探検隊さらに南へ5

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深夜0:30から愛知県境潮見坂の沖に刺し網漁に出船した千葉
丸に同行した南浜名湖あやしい探検隊は大場船長の漁を見せて
いただき母港の舞阪港外の新港に戻ります。

係留場所にある船小屋には灯りが灯り、そこで刺し網から魚を
はずします。
棘に毒を持つオコゼを網からはずします。
醜い魚は美味、このオコゼもおいしい魚です。



漁をする人、港で待つ人の連携で漁師さんは働く、小屋では
おじさんとおばさん、お母さんがせっせと刺し網にからんだ魚
をはずしていきます。



舌平目(ウシノシタ)がどっさりかかります。
私たちが食べるあのおいしい魚はこうして獲られています。



網には傷がついたりして売れない魚も多くかかります。
売れずともおいしい魚は近所の人に配りおかずにしてもらう。
舞阪の漁師さんたちの生活は近隣と共にあるのです。

網揚げに1時間もかかる網は重く、どっこらしょうと運び、
魚をはずしまた次の漁にむけて整理していきます。

そこにはまだウゲゲな魚やさまざまな底の生き物たちを見る
ことができるのです。
最終回は遠州灘のウゲゲ特集をおおくりします。




 

南浜名湖あやしい探検隊さらに南へ6

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舞阪港(新港)から愛知県境に近い潮見坂沖へ、刺し網漁に
同行させていただいた千葉丸の大場船長に感謝しつつ、最終会
は海のウゲゲ特集となります。

暗い海から揚がってくる刺し網にはさまざまなウゲゲがいるの
です。

第一回目で「後ずさりして船から落ちそうになった」のが長い
長いヘビのようなギンアナゴ、鋭い歯を持ち太い魚体をクネク
ネしながらあがってくる様子は「ゾゾゾワッ」とするものでし
た。
市場には出ませんが、網はずしのおばあちゃんは「もらうだや
ぁ」とオカズにしてしまうらしい。さすがです。



ペタッと居座りますはエイであります。
「尻尾切っとくか」と船長が包丁でエイヤッと尾を切るのはこ
こに毒針を持っているから、これもおばちゃんのオカズになる。
「ヒレの部分がおいしいのよう」と教えていただきました。



こちらは隣の船小屋で撮らせていただいたもの。
大きな貝の隣に同様の大きさの貝がなんとヤドカリ、お茶のボ
トルと比べれば大きなことがわかるでしょうか。

「浜名湖にもデカイやどかりがいてな、これで鯛を釣る衆もお
おいんだよ」と漁師さん。

出てきたら怖そうな大きさのヤドカリも刺し網にかかるのです。

「網でなんで貝やヤドカリがかかるの?」

「魚が網で動けなくなると、こいつらがすぐに魚を食べに来る
のさ」

「!!!!!」

遠州灘のウゲゲ魚もさるものなら、それを即効で食いに網をあ
がってくる貝やヤドカリがいるとは。

ますます浜名湖や遠州灘の漁の楽しさを実感しつつお礼を言う。

「もう明るくなるででシラコ船が出てく様子でも撮ったらどう
だ」

南浜名湖あやしい探検隊は、千葉丸の大場船長にお礼をいいつ
つまだ明けぬ今切口に今度は徒歩で向かうのでありました。

つづき・・そうです。