舞阪港 色で驚くアカザエビ

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南浜名湖は海の産地、舞阪港に水揚げされるエビのうち、最も
大きく、また珍重されるエビがあります。
手長エビことアカザエビです。

遠州灘の深い底に網を曳く共榮丸が獲る深海のエビのひとつ、
アカザエビは最初に見ると、ちょっとギョッとすることがあります。

エビといえば赤い色をしていると思い込んでいるものですが、この
エビはその名のとおり「アカザ色(植物)」、赤よりオレンジ色に近
い色をしています。



水揚げある日は共榮丸のみなさんが、港へ揚げ、選別台の上に
山にして、大きさ別に仕分ける様子を見ることができます。
手長エビの名で呼ばれるように、長いハサミ脚を持ち、真っ黒い
目がギャング顔をしています。

舞阪で食べる刺身はトレトレ、イセエビを凌ぐと言われるエビは
尾の身の美味しさはもちろん、頭も脚も入れてとる、エビ出汁で
ができる汁物、鍋物で楽しまれています。

「今日はエビの味噌汁を出すぞ」、舞阪周辺の居酒屋さんに仕
入れながら誘われれば、行かずにはいられないアカザエビの魅力、
近似種ヨーロッパアカザエビなどは、スカンピと共にイタリアン料理
の定番エビとしても知られています。

さて舞阪の居酒屋で楽しむか、イタリアンかと迷えるのも産地のエ
ビをしればこその悩みなのです。

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メヒカリ 蒼き目の実力魚

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南浜名湖は海の産地、どの漁港でも華がある魚とは、真っ赤な
マダイにヒラメ、タコにイカにカニにエビなどということになる。
いわゆる定番であり市場の賑わいと売り上げをもたらす魚であ
り、入門魚であり、スーパーでも見られる魚の実物でもある。

舞阪港に取材を始めた2年前の写真を見れば、そのような魚ば
かりを獲っては喜んでいたものが、やがて「ひねて」くる。

舞阪港に近い居酒屋「肥後」の大将が「食べてみな」と焼いてく
れた小魚、それも見栄えがしない魚の開きを食べてみて唸り、
その名を覚える、メヒカリです。

メヒカリと呼ばれるこの小魚はアオメエソといい、その名のとおり
目が緑色に光る(信号の青と同じ、やはり緑が青である)。



秋から春の漁期、舞阪港の底曳き漁船共榮丸が港に着けば、仲
買のカネサン竹中水産の大将、功さんが、まだ水揚げ前の船の
上の乗り子さんに尋ねる。

「今日はメヒカリあるか、大きいか」

舞阪港の沖10マイル、ちょうど水平線を行く大型船の航路に近い
漁場は水深300メートルもの深海である。
その深海底に網を曳く共榮丸が獲る深海の魚のうち、最も広く期
待されている魚である。

舞阪唯一の干物加工カネサン竹中水産の自慢の一夜干しとなり、
多くの舞阪の居酒屋さんで扱う肴であり、また自家製の干物とする
大切な産物である。

ただ焼くだけで「コガリ」と脂が楽しめ、後を引き、酒が進み、飯が
食え、骨まで食べられるねと顔を見あわせ、もう1パック買ってくれ
ばよかったと後悔し、酒と肴好きの仲間へのざっけない土産にして
やろうと思い、舞阪にこんなうまいものがあったのかと知る魚である。

宮崎県あたりではメヒカリで街おこしをしているとも聞く、舞阪も続け
とも思う、その前にメヒカリを知らぬ友に食わせようと思うこと思うこ
と間違いなしの魚であり、菜であり肴である。

共榮丸は現在整備中、メヒカリ待ちの舞阪港は再開初日に、メヒカ
リのありなしが話題となる。
楽しみたのしみ、そして取り合いともなる舞阪の幸である。

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