正一丸 三枚刺し網 黒鯛漁

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漁師の渡辺正一さんから電話、「鯛網に着いていくかい」

「もちろんです!」と弁天島桟橋から漁に連れていってい
ただくことになりました。

正一さんと知り合ったのも弁天島遊船組合の潮干狩り、春から
8月末まで潮干狩りを通じて浜名湖のさまざまを教えていただ
きました。

「9月になったら鯛網に行こう」とご厚意をいただいていたの
です。



網は三枚刺し網と言いますから沖のアマダイや手長エビ漁と同
じ漁法の網、じつは正一さんはお世話になっている漁徳丸の
エージ船長の伯父さんなのです。

海の漁と浜名湖内の漁は違います。
秋の風爽やかに三番鉄橋(新居側の鉄橋)をくぐります。



正一丸は浜名湖競艇場近くへ向かいます。

週末の浜名湖は貸し船の釣りが盛んです。さまざまな船が竿を
出す中を行きます。

網漁は潮止まりを利用する漁、早めに到着して時を待つのです。



 

正一丸 三枚刺し網 弁天島を行く

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「鯛網に行こう」と誘っていただいた第一正一丸の渡辺さんの
船に弁天島の潮干狩り桟橋で載せていただきます。

陽射しは強くとももう弁天島は秋の風が吹いています。
海の色ももう夏の青とは違います。
なにより潮干狩り場は、もう浜名湖海苔の棚となっています。

弁天島から西へ、二番鉄橋を過ぎる頃まで潮干狩りの浅瀬は
海苔の棚が広がっています。秋冬の舞阪の自慢、ご馳走づくり
です。



浜松から弁天島へ、一番目の橋が弁天大橋、ここを一番鉄橋、
次にJR弁天島駅前を西へ過ぎた橋が二番鉄橋の中浜名橋、その
先が三番鉄橋、西浜名橋と続きます。

三番鉄橋をくぐる楽しさは船に乗る楽しみの一つです。
いつもは車で過ぎる景色の下をくぐるのです。



東海道(旧国一)とそれ以前に使われていた旧東海道(旧々
東海道の橋、美しい橋げたをくぐっていけば、浜名湖競艇場
のある海域に進むことができるのです。

※協力:第一正一丸渡辺船長



 

正一丸 鯛網漁、網入れ

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「潮が止まるまで待つんだよ」

浜名湖の鯛網漁に連れていってくれた第一正一丸の渡辺船長
が教えてくれます。
干潮時間には浜名湖の海は外へと流れてゆく、その潮が止ま
る時間に鯛網は降ろすのです。

2つのボウラ(青い容器)に入れた網の先にはスチロールの
ウキがついています。船長はそれを放ります。



船を進めれば三枚刺し網がスルスルと海に落ちていきます。
釣り船もいるその海域を注意して船を進めます。



網が降り始めれば船長は最初のウキを目印に大きな円を描く
ように船を進めていきます。
刺し網はゆっくりと沈んでいきます。
潮が動いている時に網を降ろせば網は流れて寝てしまいま
すが、止まっていれば高さを持って広げることができるの
です。



二枚のつながった網は全て折り、船長はほぼ円を描くように
網を広げ降ろしました。

正一さんによれば「かたつむり」のように網を巻いて魚を追
い込むのだそうです。

さあ、ここから網を揚げていきます。

※協力:第一正一丸渡辺船長



 

正一丸 三枚刺し網 黒鯛あがる

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舞阪港の鯛網漁のベテラン、渡辺正一さんに誘っていただいて
浜名湖の黒鯛三枚刺し網漁を見せていただいています。

浜名湖競艇場近くの漁場で刺し網を降ろした第一正一丸はグル
リと「デンデンムシ」のように網を巻きました。
いよいよ網をあげていきます。



潮止まりの浜名湖から網をあげると、黒鯛がかかっています。

「すごいすごい」、大きな黒鯛、中型の黒鯛とさまざまです。



同行した仲間が黒鯛を持って見せてくれます。
鯛類は背びれに鋭いトゲを持ち、手袋をして持つものです。
油断すると、痛っ!と刺さる鋭いトゲです。



脚が鮮やかな青い色の「タイワンガザミ」が揚がってきます。
オスは青く、雌は目立たない色をしているワタリガニの仲間
です。

三枚刺し網にかかった魚やガニは外側の大きな目、内側は袋
のようになる小さな目の網に絡まります。
これを外すのは根気と手間がかかる仕事です。

きれいに外し、また次の漁のために刺し網をきれいに整えて
おくこと、漁だけではない漁師さんの仕事です。



 

正一丸 黒鯛 三枚刺し網にかかる

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浜名湖で釣りを楽しむならば黒鯛、多くの釣りファンを持つ
浜名湖の黒鯛釣りポイントは腕を誇る釣り師たちが集まりま
す。

漁師さんは黒鯛を仕事として網にかけます。
浜名湖の秋のご馳走は漁師さんの腕によって近隣の海鮮店で
味わうことができます。

弁天島桟橋から鯛網漁に載せていただいた第一正一丸の渡辺
船長から夏の間に時間を見つけて長いながい三枚刺し網を作
りっているのを見せていただいていました。

大切な漁具を繕い、9月の鯛漁の準備をしていたのです。



長い準備をかけ、準備をした刺し網に黒鯛がかかります。
刺し網は泳ぐ魚をその目にからめるようにかける網です。

広い目の外側から入った鯛は内側の袋網にからめとられます。



浜名湖の秋の美味、黒鯛の造り、刺身、涼しくなってさらに
身を締めてくる浜名湖のご馳走です。
浜名湖に来たら、味わってみてくださいね。



 

弁天島 黒鯛 刺し網にウニ

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弁天島の桟橋で先日黒鯛の鯛網漁を見せていただいた、第一正一
丸の漁師さん、渡辺正一さんに再会しました。

漁を終えたばかりの正一さん、次の漁の準備のために刺し網にか
かった小さな生き物を外しています。

「今日の漁はどうでしたか」「20キロくらいはあったよ」

正一さんはベテラン漁師さん、夏の間から準備した三枚刺し網で
浜名湖の黒鯛を獲っています。



驚いたのは網にかかった大漁のウニ、浜名湖にはこんなにたくさ
んのウニが棲んでいるのです。

三枚刺し網は投入して湖底を曳き、すぐに揚げる網、その網が底
からこれほどのウニを揚げるのです。

ウニが大好物の弁天小僧、もう一度「食べられませんか」と聞き
ましたが、「中身がなくて食べられないよ」、残念です。



浜名湖の砂底に棲むウニたち、いったい何を食べているのでしょ
う。それは正一さんも知らないよということでした。

「でもな、生き物は何かの役に立っているんだよ」

正一さん、外したウニをまた海に帰します。

漁師さんは魚を大切に、生き物を大切に漁を続けています。
えんばいにいただいてしまった黒鯛は、朝のご馳走になりました。

弁天島の散歩は浜名湖の魚を知り、秋のご馳走魚と出会う散歩と
なりました。

正一さん、ごちそうさまでした。



 

弁天島 シャクシャ(アイゴ)の刺身

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「どうだ、うまいだろう」

日曜日の南浜名湖弁天島、潮干狩り桟橋は遅い午後の干潮時
間まで、渡船にあたる船頭さんは待ちの時間でした。

「刺身を食いにおいで」と誘っていただいたのは、第一正一丸の
正一さんです。
三枚刺し網の漁から戻り、仲間の漁師さんに自慢の漁果をふる
まいます。
この美しい刺身は普段めったに口に入らない魚なのです。

「シャクシャ(アイゴ)」です。



アイゴは浜名湖の黒鯛などに混ざって漁や釣りの対象になります
が、セビレなどの鋭い棘に毒を持ち、(写真は丁寧にヒレを取り除
いてあります)刺されたらひどく痛みます。

そのためと、磯臭いなどと言われて好まれませんがトレトレならば
刺身は絶品のうまさがあるのです。



アイゴは桟橋の上で刺身に造られていきます。
海の男たちがふるまう刺身は海風の桟橋でいっそううまく感ずるの
です。

ちょっと嫌われ者と知り合ってみれば、すばらしい出会いとなった。
浜名湖のシャクシャ(アイゴ)は桟橋で食べるに限るのです。

第一正一丸の正一さん、ご馳走さまでした。



 

浜名湖三枚刺し網 ヘダイを造る

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「これはな、マンタイというんだよ、ヘダイとも呼ぶね」

浜名湖で三枚刺し網で鯛を獲る第一正一丸の正一さんに美しい
鯛を見せていただきました。
黒鯛ともキビレ(黒鯛の一種、ヒレが黄色を帯びる)とも違う、浜名
湖の美しい鯛です。



「食べるなら料ってあげよう」と船の上で捌き、身に包丁まで入れて
焼くばかりにしていただきました。

正一さんの船で以前三枚刺し網漁に連れていっていただきましたが、
潮の干満の間、潮どまりを狙って一艘で網を曳く三枚刺し網漁は浜
名湖のベテラン漁師さんの漁なのです。

船尾から長く降ろした刺し網をぐるりと船をまわしながら砂底に曳き、
すぐに網をあげれば、鯛が網にからまってあがってくるのです。



第一正一丸のカンコウ(船中の生簀=ライブウェル)には鯛が活きで
泳いでいます。
これほど獲れたての魚をいただきました。

その塩焼きのうまいことうまいこと、美しい魚に「ヘダイ」とはちょっと
失礼な名前かなと思い調べると、口をつぐめば、「へ」の字に見える
からと知りました。

弁天島からの釣りでも釣れる釣り人楽しみな「ヘダイ」は弁天島のご
馳走魚のひとつです。

正一さん、ごちそうさまでした。



 

夜明けの水揚げ 舞阪港寒ボラ漁

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「やあ、早いなあ おはよう」、「はい、鳥を撮りにきたんですよ」

舞阪港の夜明け、7時前の港で挨拶させていただいたのは舞阪の
網漁の名人、第一正一丸の渡辺正一さんです。
夜明け前、4時半から海に出て寒ボラを獲って戻ってきたところ、
働き者の漁師さんの朝はとても早いのです。



一艘で曳く網漁は潮を見て行われます。
潮の干満や潮止まりの時間を見て行う漁は、一日二度のチャンス
があります。冬の夜明け前とて漁師さんはチャンスを逃さないのです。

ボラの旬は真冬、潮通しがよい舞阪の寒ボラは刺身でいただける冬
のご馳走魚のひとつです。

夜明けの舞阪港はエンジンの音に溢れています。既に5時過ぎから
トラフグ船団は海に出てしらす漁は漁期を終えていますが、浜名湖海
苔、浜名湖あさり漁師さんの船が次々と出ていきます。



私たちが暖かい布団から出たくないと思っている早朝に、もう漁を終え、
網を曳き、出漁してゆく働き者の漁師さんがいるのです。
舞阪の朝はとても早く動き出しています。

※取材協力:第一正一丸 渡辺正一さん



 

潮止まりの漁 舞阪港一枚網マダカ漁

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真冬の夜明け、カワウ群れ飛ぶ舞阪港に一艘の船が着いていま
す。一枚網漁の名人、第一正一丸の渡辺船長です。

「カワウがすごいだろう」

第一正一丸はカワウの群れを分けてやってきたのです。

「毎年こんなにいましたっけ」、「このくらいは毎冬やってくるんだよ」

渡辺船長は刺し網で鯛を、カニを、秋からは一枚網でマダカ(スズキ
まで大きくないセイゴ)を獲っています。
潮の干満の間、潮止まりの時間に合わせて出漁する網の漁です。



船のカンコウ(生け簀)には背ビレが出るほどのマダカが大漁、冬の
マダカは貴重なもの、冬の寒い朝もいとわない、早起き漁師さんなら
ではの漁果を見せてくれました。



漁は次の漁の準備で終わります。
長い網を丁寧に納めてゆく渡辺船長の漁は、毎日変る潮止まりをめ
がけてゆく漁、海の潮と共に働く舞阪の働きものの漁師さんの毎日を
教えていただきました。

※取材協力:第一正一丸 渡辺船長