舞阪港 ありがとう順風満帆の大晦日

カテゴリー │南浜名湖.com編集部より



静かな大晦日の朝、今年の全ての漁を終えた漁師さんは船にフライキ(大漁旗)をあげ、松が飾って新年を迎えます。

年に三度、正月・4月の水産まつり、旧暦9月15日の岐佐神社祭典に掲げられるフライキは漁師さんの心意気を表します。

朝は無風でも冬の舞阪は次第に風が吹き始めます。
漁師さんとって風は難敵、海上安全を第一に操業する漁にならい(東風)が吹けば海は荒れていきます。

西の風は漁の風、フライキはためかせる大晦日に風が吹き始め、よい風が自慢のフライキを舞いあげはじめます。



来年も豊漁となるように、海上安全でありますようにフライキは勢いよく舞っています。

フライキは仲間から贈られるもの、船名の下に兄弟分一同など応援する仲間の名が染められています。

来年に向けて順風、順風満帆の大晦日となりました。

今年も一年、舞阪漁師さん仲買さんにご協力いただき遠州灘の魚を、浜名湖の漁師さん仲買さんにご協力いただき浜名湖の魚を紹介できました。

全国でも珍しい、海につながる浜名湖は遠州灘の魚が行き来し育つ海ともいえる湖です。
遠州灘の魚、深海の魚が揚がる舞阪、意外なほどの種の魚が泳ぎ育ち獲れる浜名湖の市場は未だ紹介しきれない魅力を持っています。

来年も引き続き海の産地南浜名湖にご注目いただければと思います。

順風吹く南浜名湖、来年もよき漁、よき日和となりますように、新しい風をさらに受けられますようフライキに祈ります。

ご覧いただいている皆様のふくらむ夢に順風が吹きますよう祈ります。

応援をお願いいたします。

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浜名湖雄踏港 浜名湖に棲むウニたち

カテゴリー │浜名湖雄踏漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、年末年始の休漁期間を利用してこの一年に紹介した遠州灘の浜名湖の漁魚、面白い生き物を紹介しています。

浜名湖の6月、浅い浜名湖を船で行けば砂底に黒いものがたくさん見られます。
それらは浜名湖に棲むウニの仲間たちです。

ウニといえば東北などもっと寒い地方の生き物のようですが浜名湖にもたくさん棲んでいます。
姿を見ればトゲが長いムラサキウニ、短いバフンウニの仲間のようです。

漁で獲ることのないウニですが、刺し網などにかかったウニを漁師さんに見せていただきました。



ウニはトゲばかりでなく堅い殻に包まれています。
その口にニッパーの歯を閉めたまま突っ込み、開けば殻を割ることができます。

初夏のウニにはしっかりと卵巣があります。
ただし浜名湖はあたたかいため卵巣が大きく育つことはないようです。
もちろん漁として成り立たず、専門漁もありません。

それでも浜名湖にウニが棲むことは面白いでしょう。油断して歩けば鋭いトゲのウニを踏むかもしれませんね。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
浜名湖雄踏漁魚図鑑
雄踏港市場のお魚さん
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おはよう!南浜名湖 12月31日 夜明け前の海

カテゴリー │☆おはよう!南浜名湖



うす青に光射し込みはじまる直前、弁天島は今年最後の夜明けを待っています。
全ての漁を成し終えて迎える大晦日、舞阪港の船々はフライキ(大漁旗)を飾り松を立てて新年を迎えます。

弁天島のシンボル赤鳥居の脚は瀬の角に立っています。
今日の満潮は9:43分、干潮は15:58分の海です。



浜名湖が海に注ぎ、豊かな海が浜名湖を潤す幅200mの海道、ここが今切です。
全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

大晦日の海へ向かうのは釣り船、漁師さんは全ての漁を終えています。

舞阪港の出漁情報は「舞阪港のお魚屋さん」こと中一水産が今年も出漁情報をおしえてくれました。

舞阪しらす漁を出漁情報・競り場・しらす加工場からおしえてくれるのが「舞阪しらす親分一家」こと丸昌河合商店のみなさんです。
出漁日の毎日新鮮しらすを教えてくれました。12月まで出漁し漁ができた今年でした。

洋上から舞阪しらす漁をおしえてくれるのが「海その幸」こと氷川丸のみなさんです。多くの教えをありがとうございます。



大晦日、静かな朝の舞阪港です。
午後に風が吹いたなら、舞阪のフライキを撮りに出かけください。

来年も豊漁と海上安全を願う船たちが来年の夢を見ています。

大晦日、年始のご贈答に舞阪しらす干し・浜名湖新海苔のお買い物にお食事にお出かけください。

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浜名湖雄踏港 浜名湖に棲むタツノオトシゴ

カテゴリー │浜名湖雄踏漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来する、海ともいえる湖です。

この秋にNHKの人気番組「さわやか自然百景」が浜名湖の水中の生き物を紹介しましたが、浜名湖は全国でも有数のアマモ場が広がる海です。

浅瀬に生えるアマモは海草、海草はワカメやコンブなどの海藻とは違い、イネ科の植物です。
浜名湖のアマモ場は海の魚やカニ・エビの稚魚のゆりかごとなっています。

そこに棲むのがタツノオトシゴです。



今年の夏、浜名湖伝統の小型定置網「角立て網(かくだてあみ)」に入ったタツノオトシゴです。

漁師さんがタツノオトシゴを市場まで運ぶのは、浜名湖の生き物を展示する小さな水族館「ウォット」に寄贈するためです。

浜名湖の幸が集まる雄踏(ゆうとう)港市場には、ウォットへ寄贈生け簀があります。
そこへ放てばウォットの職員さんがやってくるのです。

タツノオトシゴはその長い尾でアマモに絡みついています。
手のひらに乗せれば尾を巻いてつかまってくれました。

初夏から夏の潮干狩り場にも広がるアマモ林、たんねんに網ですくえば浜名湖のタツノオトシゴを見つけることができます。

観察したらアマモ場にかえしてあげてくださいね。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
浜名湖雄踏漁魚図鑑
雄踏港市場のお魚さん
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寒中の浜名湖を泳ぐタチウオ

カテゴリー │浜名湖雄踏漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

美しいタチウオは遠州灘の深みに棲み、なんと海面を見上げて立ち泳ぎをするまるで刀のような姿をした魚です。

前回舞阪漁魚図鑑でお話したように、遠州灘に漁する舞阪に海の魚タチウオが揚がりますが、じつは浜名湖にもタチウオは棲み、通年で浜名湖伝統の小型定置網「角立て網(かくだてあみ)」に入ります。

浅い浜名湖でタチウオは立ち泳ぎをしているのでしょうか。
漁師さんに聞けば浜名湖のタチウオはごく普通に泳いでいるそうですよ。見てみたいですね。



海のタチウオも浜名湖のタチウオも変わるわけではありません。
大きな口をクワッと開けば、カミソリの切れ味と言われる鋭い歯をズラリと並べています。

この歯に触れたら指も服もスッパリと切られてしまいます。

まるで刀のようだから太刀魚(タチウオ)、美しいタチウオが泳ぐ浜名湖には潮の干満で海の魚が行き来しています。

浜名湖では魚だけで700もの種を見ることができます。
その中にクワッとカミソリ歯の口を開けて泳ぐタチウオがいるのです。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
浜名湖雄踏漁魚図鑑
雄踏港市場のお魚さん
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おはよう!南浜名湖12月30日 夜明けの海への挑戦

カテゴリー │☆おはよう!南浜名湖



今年も遠州灘へ向かう全ての漁を終えた舞阪港、年末の舞阪はまだまだ浜名湖への漁が収穫が続いています。
夜明けと共に小舟を曳いて向かう浜名湖海苔摘み、奥浜名湖の牡蠣棚から山と牡蠣を積んだ船が舞阪を目指しています。

遠州灘に向かうのは多くの釣り船、年末の海に向かう漁師さんは年末の正月の贈答に使うえんばい獲りでしょうか。



浜名湖が海に注ぎ、豊かな海が浜名湖を潤す幅200mの海道、ここが今切です。
全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

舞阪港の出漁情報は「舞阪港のお魚屋さん」こと中一水産がおしえてくれます。
年末年始の休みです。

舞阪しらす漁を出漁情報・競り場・しらす加工場からおしえてくれるのが「舞阪しらす親分一家」こと丸昌河合商店のみなさんです。
年末年始の休みです。

JR弁天島から渚園に向かう道の左側の直売店で舞阪しらす干し・浜名湖牡蠣・新海苔を販売しています。

洋上から舞阪しらす漁を、浜名湖海苔摘みをおしえてくれるのが「海その幸」こと氷川丸のみなさんです。



夜明けの弁天島海浜公園をお訪ねになってことがあるでしょうか。
朝の日射しを強く受ける弁天島、年末の海でも釣りの楽しみ、もうこの時間竿を出す人が見えています。

冬の浜名湖は透き通り、底まで覗ける海のぞきの道です。

舞阪しらす干し・浜名湖牡蠣・浜名湖新海苔のお買い物にお食事に、釣りに海辺の散策にお出かけください。

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浜名湖 雄踏港市場最終日 寒ボラの海

カテゴリー │浜名湖雄踏漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、遠州灘に出漁する舞阪港市場が昨日まで、今日は浜名湖の幸が集まる雄踏(ゆうとう)港市場が年内の最終市となりました。

今年は寒の訪れが遅く、12月最終日となってもマハゼ、セイゴ、ヒラメやウナギなどが取引される中にボラが並んでいます。

浜名湖を眺めれば、ドボンと音を立てて飛び上がる魚がいる。
その魚こそがボラです。

ボラは他の魚に比べ鼻先が丸く、まるで丸太ん棒のような丸みのある体をしています。
網に入ったボラは市場までは活かされてきますが、市場で絞められます。

丸い胴を手前に掴み、エラに指を入れてひとおもいにサバ降りする、グキッと音を立てて首を折って絞めるのです。
多くの魚はエラの後ろに包丁を入れて脊髄を切り、尾の手前にも同様にして活き絞めします。

ボラの場合はこうして首を折り、新鮮さを保ちます。



セイゴがスズキに成長するように、ボラも出世魚として多くの名前で呼ばれます。

市場に混ざってやってくる手のひらにのるほどならオボコ、オボコとは幼い子供のこと、やや成長すればイナと呼ばれます。

元気な若者であるイナは時に群れて河口から遡上します。
春先などに弁天島などの水路にも押し寄せてくるイナ、若い男衆のイナセな様子はイナを想像させるものです。

そしてボラになって浜名湖から飛びはね、やがて巨魚となりトドと呼ばれます。

トドで成長は止まりますからトドのつまり。
ボラの名前は人の成長になぞらえて呼ばれています。

ボラを泥臭いという人もいますが、潮通しのよい浜名湖の海域で獲れるボラは美しい身を持っています。
三枚におろし、そぐように造ればまるで桜の花のような美しさ、寒のボラはおいしい魚です。

浜名湖の市場の再開は新年1月5日、浜名湖の伝統漁角立て網(かくだてあみ)の漁期は1月15日までとなります。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
浜名湖雄踏漁魚図鑑
雄踏港市場のお魚さん
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舞阪港 内から燃える赤 キンメダイ

カテゴリー │舞阪漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、舞阪に揚がる魚でもっとも美しい赤を持つ魚といえばキンメダイです。

近くでは伊豆の魚として知られるキンメダイは相模湾や駿河湾など深みを持つ海に棲んでいます。
遠州灘の沖にも同様の深みがありキンメダイが棲んでいます。

舞阪では深海300mほどに網を曳き、舞阪名物メヒカリやノドグロなどを獲る底曳き漁で混獲されています。

キンメダイの赤は他の魚の赤とは違います。
まるで内から輝くような赤はまばゆいほど、燃える赤色を持っています。



舞阪港は底曳き漁を持つことから深海の脂のうまい魚が揚がります。

人気のノドグロ(アカムツ)にクロムツ、キンメダイにメヒカリなど深海の魚たちが舞阪を賑わせています。

その中心に真っ赤な華を咲かせるキンメダイがいるのです。

※取材協力:舞阪港 舞阪港の漁師さん
舞阪漁魚図鑑
舞阪港のお魚さん
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浜名湖の寒中 シラウオ揚がる

カテゴリー │浜名湖雄踏漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

今年も4月から始まった浜名湖の伝統漁「角立て網(かくだてあみ)」の漁期もま1月半ばで終わります。

今年は明日29日(火)が最終日となりました。

浜名湖の寒中、12月からはシラスウナギの特別採捕「メッコ漁」が始まっています。

毎年浜名湖では天然ウナギの成魚をとらえ、遠州灘に放流する「浜名湖発親ウナギ回帰作戦」が行われています。

大きく育った親は遠く西太平洋のマリアナ海溝で産卵します。
その旅立ちを手伝い、貴重なシラスウナギとして浜名湖に回帰してもらうよう努力しています。

シラスウナギが入るメッコ網にはこの季節ハゼなどと共にシラウオが混獲されることがあるのです。



シラウオは遠州灘で獲るシラス(カタクチイワシの子)にも似ています。
一匹いただくとやわらかいシラスに比べてやや歯ごたえがありコリコリとしています。

シラウオはそのまま刺身として、酢にしていただく寒中のご馳走です。
浜名湖の幸が集まる雄踏(ゆうとう)港市場はいよいよ明日で今年の最終日となります。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
浜名湖雄踏漁魚図鑑
雄踏港市場のお魚さん
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舞阪港の巨大魚 ニベもないニベ

カテゴリー │舞阪漁魚図鑑



南浜名湖は海の産地、春4月の遠州灘に漁する舞阪港の漁はタイ網漁、遠州灘に二艘で網を曳き、活マダイやクロダイを水揚げします。

洋上で揚げた網の魚を船首デッキ下にあるカンコウ(生け簀)に放ち、真っ赤なマダイは流海水の生け簀に押し合いへしあいして港にやってきます。

活マダイの競りはどの漁より優先され、港に横付けされた船の横で競りがはじまり、活きのよいまま仲買さんの生け簀へと放たれます。

その網に入る巨魚が1メートルを超え、数10キロにもなるニベです。



ニベは近似種のシログチ(釣りではイシモチ)と同種とされますが、ちょうど皿サイズのシログチとは大きさがまるで違います。
それでも姿はとても似ています。

このニベは競り札によれば22kgもの重さです。

ニベの浮き袋から採れる膠(ニカワ=接着材の一種)から生まれた言葉に「ニベもない」があります。
協力な粘着性を持つニベの膠に対し、愛想がないことをニベもないという。



こちらはシログチ(イシモチ)、海中から揚げられる際に浮き袋を吐き出した姿で見ることがあります。
まるで赤い舌を出してアッカンベーをしているようでしょう。

活魚で揚がるシログチが生け簀に活かされていると「グーグー」と鳴く声を聞くことがあります。
その音も浮き袋から出しているそうです。

グーグーとグチを言うからグチ、シログチと呼ばれる。魚の名づけの面白さに驚きます。

舞阪に揚がる巨魚のニベと皿サイズのシログチは仲間、群れて泳ぐシログチは海の中でも鳴くといいます。

その中に混ざり大きなニベも鳴いているのでしょうか。
グチではなく魚の歌を歌っているのでしょう。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港の漁師さん
舞阪漁魚図鑑
舞阪港のお魚さん
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