舞阪港哲昌丸・千葉丸サヨリ漁

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



2月15日に春漁「サヨリ漁」が始まった舞阪港、2月末まででトラフグ
漁が終わり、二艘曳きのサヨリ漁が舞阪港を賑わせています。

今日は舞阪港の哲昌丸の哲さんこと和久田船長、千葉丸の守さん
こと大場守船長のサヨリ漁に同行させていただきました。



早朝6時半、舞阪港を出港するサヨリ船団の列に加わった哲昌丸
は僚船千葉丸と今切を越えて遠州灘に向います。
南浜名湖、弁天島から臨む舞阪港を出漁する漁船の勇壮な列に
今日は加わることができました。



二艘が一枚の網を曳く二艘曳き、遠州灘広くサヨリを追って網を
曳く僚船たち、大漁となったこの続きは明日より詳しくお話してまい
ります。

旬のハシリを迎えた舞阪港のサヨリ、美しく輝く春香る刺身魚を追
った一日をレポートいたします。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸



 

舞阪港サヨリ漁 哲昌丸・千葉丸出漁

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



弁天島から臨むまだ暗い早暁の海には、航海灯を点けたトラフグ船
団が行きます。2月末日で終了する漁期の最後の挑戦に向う船の
灯りが点々と今切に向います。

その後、6時半に出漁するのが春漁「サヨリ漁」の船団たち、着場(つ
け場)と呼ばれる係留場所から次々と出漁していきます。



港を出るサヨリ船団とすれ違うのは採貝漁の船たち、あさり漁の船
とすれ違います。
あさり漁の船たちは弁天島の前をとおり、鉄橋を越えて北へ向って
いきます。



サヨリ二艘曳き漁に同行させていただいた哲昌丸は舞阪港から出
てくるサヨリ船団と列をつくります。
サヨリ漁は、二艘の船が一枚の網を曳く漁、舞阪のシロコ漁(しらす)
と同じ、二艘が力を合わせて行います。



舞阪港外、新港から出漁した哲昌丸と統(とう)を組む(舞阪では二
艘曳きのひと組を統と呼びます)千葉丸が合流します。

今切を越えてゆくサヨリ船団は「七時網入れ」を守って遠州灘に向か
います。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸



 

舞阪港サヨリ漁 二艘曳き 哲昌丸・千葉丸

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港に春を告げる「サヨリ漁」、二艘の船で網を曳くこの漁に同行
させていただいたのは哲昌丸と千葉丸、哲昌丸に乗って初めてのサ
ヨリ漁体験に向いました。

サヨリ船団は今切を列となって越えていきます。
舞阪側の今切の先端には浜名湖の入口を知らせる赤灯台がありま
す。これを越えれば遠州灘、太平洋です。



二艘づつの統となった船団は、七時の網入れを待ち、西へ東へ南
へと分かれていきます。
哲昌丸は統を組む千葉丸と船を並べ、網船である千葉丸が網を降ろ
していきます。

この片側を哲昌丸が受け取り、キャビン後ろから太く丈夫なロープで
網を曳くのです。



網を降ろし、綱を受け取った哲昌丸と千葉丸は再び離れていきます。
網をVの字に曳く両船は船首を長いロープで結び、サヨリを追っていき
ます。



網は長いものではありませんが、その網を曳くロープはまさにタイトロ
ープ、水面近くを泳ぐサヨリの群れを一網のもとに獲るのです。
岸寄り、沖、東へ西へと僚船たちの統と大漁を競う漁がはじまります。

まだ冷たい海を春の香りの魚を追ってゆくのです。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸




 

舞阪港 漁徳丸・留栄丸 サヨリ漁二艘曳き網

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港に春を告げる漁はサヨリ漁からはじまります。

2月15日にはじまったサヨリ漁を見せていただこうと、哲昌丸・千葉丸
の船長にお願いして同行させていただきました。

サヨリ漁は一枚の網を曳く縄を二艘で曳く二艘曳きで行います。
哲昌丸・千葉丸に並行して、エージ船長の漁徳丸・大澤船長の留栄丸
が網を曳いています。(許可いただいて掲載させていただきました)

エージ船長の漁徳丸が片側の縄を曳き、ウキがついた網が広がってい
ます。



ウキで浮いた網の入口から後ろへ網が曳かれています。
オモリがついた網は大きな口を開け、水面近くを群れて泳ぐサヨリが網
に入ります。
二艘がスピードを合わせ、サヨリがいそうな海域を流していきます。



舞阪の漁は一艘で行う漁、こうして二艘で力を合わせて広く網を広げて
行う二艘曳きの漁があります。
舞阪を賑わすシロコ(しらす)漁、昨日からはじまった鯛網漁など、僚船
と共に「統」(とう=二艘を表す単位)を組んで魚を追うのです。

哲昌丸・千葉丸の横を漁徳丸・留栄丸が行きます。
沖にも陸よりにも、東にも西にも二艘づつが行くのが見えます。

二艘で一枚の網の綱を広げて曳き、共に大漁になるようにと遠州灘を
行くのです。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸・漁徳丸・留栄丸



 

舞阪港 サヨリ網を揚げる

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港に春を告げるサヨリ漁は、遠州灘広く二艘の船が一枚の網を
曳く二艘曳き漁です。

綱を曳きながら網を見れば、後ろに曳く網にサヨリがいっぱいに入り
網が波を起こします。いよいよ網揚げの時となります。

千葉丸は網船(網を出す船)、哲昌丸は綱船(綱(つな)を曳く船、両
船は海の上で並び、哲昌丸は曳いていた綱(つな)を千葉丸に渡し
ます。



千葉丸は船尾に積んだ網巻き機で網を巻きあげはじめます。
網の口にある黄色いウキが近づいてきます。



網は入口の目が粗く、後端は袋のようになっています。
先の方にかかったサヨリを後ろに送りながら網をゆっくりとたぐってい
きます。

千葉丸・哲昌丸の場合は、水揚げしたサヨリを氷絞めする大型クーラ
ーを積むのは哲昌丸です。サヨリは哲昌丸に揚げていきます。



網いっぱいに入ったサヨリは数十キロともなります。
哲昌丸の和久田船長と千葉丸の大場船長は、力を合わせて船にとり
こみます。

サヨリは大切に氷絞めされ、また千葉丸は網を降ろしていきます。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸



 

舞阪港 サヨリ網の収穫

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



朝7時に網入れの決まりを守り、一斉に遠州灘に展開するサヨリ量
は二艘の船が一枚の曳き網を曳く綱を一本づつ曳き、力を合わせ
て獲る二艘曳き漁です。

サヨリ漁は水面近くを泳ぐサヨリの魚群を狙う漁、二艘はほぼ一時
間ほど網を曳いていきます。

「どっこらしょう」と力を合わせて網を船に揚げれば、どっさりとサヨリ
が獲れています。



この入れ物が「ボウラ」と呼ばれる魚を入れる大カゴです。
ボウラ一杯になれば何十キロともなりますから、力仕事です。
サヨリはこの後、氷で締められて新鮮なまま舞阪港に持ち帰ります。



サヨリはツンとしたくちばしを持っていますが、これは下顎が伸びたも
の、一見針のように尖ってみえますが、先はやわらかく、危険なもの
ではありません。

これはサンマ級と呼ばれる大きさで高値で取引されます。

二艘の船を横づけして繋いで行う網揚げ、遠州灘のうねりで船はゴツ
ンゴツンと横腹をぶつけています。

サヨリ漁の様子はまだまだ続きます。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸



 

舞阪港サヨリ漁 僚船と行く海

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



南浜名湖 舞阪港の春漁のハシリはサヨリ漁からはじまっています。
舞阪港を出港し、今切を通り抜け、南端の赤灯台の外に出れば遠州
灘、サヨリ漁はさほど沖には出ず、岸沿いに網を曳いていきます。

朝6時半頃に出港し、13時過ぎに仲買さんがセリを待つ舞阪港に戻
ります。

載せていただいた哲昌丸は二艘曳きの僚船千葉丸と一本づつの曳
き綱を曳き、船首を長い綱で結びあって進んでいきます。



舞阪の船の漁場の西端は愛知県境まで、同じ海域を漁する漁徳丸
と留栄丸が横を行きます。

同じ漁をする船はみな舞阪港の僚船たちです。
船には漁の様子を知らせる無線がしきりに入ります。
競い合いながらも共に旬の幸を舞阪港にどっさりと水揚げしようと
協力しあいます。



こちらは青い船体の留栄丸です。
舞阪の船には製造年、製造場所、漁種などによりさまざまな船が活
躍しています。
色や形などでどの船かをどの船長も見分けることができます。
海を行く働く船の機能美を見るのも楽しみのひとつです。

なにより大漁となり、胸を張って舞阪港に戻る漁師さんを見る喜びは
また格別のものなのです。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸・漁徳丸・留栄丸



 

舞阪港 サヨリ漁 網を手繰る

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港を出漁したサヨリ漁の船団は、二艘づつが統を組み、一枚の
網の綱を曳いて遠州灘を行きます。
七時の網入の後、午後一時頃までの漁で、四回ほど網を入れてサヨ
リを獲っています。

「揚げよう」と連絡を取り合い、船を横並びに繋ぎ、それぞれの曳き綱
を手繰りはじめます。



哲昌丸の和久田船長は綱の繋ぎを網を巻く千葉丸の大場船長に渡し
ます。
大場船長は船尾に積んだ「巻き車」に受け取った綱をつなぎます。



こちらが巻き車です。哲昌丸から乗り移った和久田船長と、大場船長
がゆっくりとしたスピードで大切な網を巻いていきます。
次の網入れに備えてきれいに巻いていきます。



ゆっくりと巻き上げられた網の口には黄色いウキがついています。
ここで巻き車をとめて、また手での手繰りがはじまります。

サヨリは網の入口近くからかかっています。このサヨリを奥に送りなが
ら網を絞ってゆくのです。

※取材協力:哲昌丸・千葉丸



 

舞阪港サヨリ漁 網を揚げる 

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港のサヨリ漁は、二艘で一枚の網の綱を曳く二艘曳き、先日
までそれぞれ冬漁のトラフグを獲っていた二艘が春の海で力を合
わせてサヨリの網を曳いています。

網揚げとなれば哲昌丸と千葉丸は横並びに船を結び合い、網揚
げがはじまります。
綱を巻き上げた後は、慎重に網をたぐっていきます。



曳き網の奥に獲れたサヨリは溜まっていますが、網の入口近くに入
ったサヨリを網を振っては奥に送り込みます。
網を揚げる時はもっとも楽しみな時、先の網がキラキラと輝けばサ
ヨリ大漁の印です。



網の奥にかかったサヨリは数十キロの重さ、船尾から力を合わせて
とりこみます。
サヨリは海面近くを群れで回遊しています。
両船長の曳く網は読みでサヨリを追っているのです。



船上で氷締めしてひとだんらく、両船長の笑顔が春の海に弾けます。
舞阪の春漁はサヨリにはじまり、鯛網漁、刺し網漁と次々はじまって
いきます。

舞阪港の活気あがる春の漁の楽しさです。

哲昌丸の和久田船長・千葉丸の大場船長、ありがとうございました。




 

舞阪港 サヨリ漁近づく 網繕い

カテゴリー │哲昌丸・千葉丸サヨリ漁



舞阪港の冬の漁といえば遠州灘トラフグ漁が賑わっていますが、
トラフグ漁の漁期は二月末日までとなります。
この時期トラフグに代わる春漁の準備がはじまっています。

「サヨリ漁」の準備です。

昨年「哲昌丸・千葉丸サヨリ漁」で同行させていただきました二
人の漁師さんにサヨリ網の繕い作業を見学させていただきました。



サヨリ漁は二艘の船が一枚の網の綱を曳く漁、舞阪のしらす漁と
同じように二艘二人の漁師さんが力を合わせて行う漁です。
昨年の漁後しまってあった網を近づく漁期前に点検し、ほつれを
繕う作業が行われました。



漁具の網を事前に完璧にしておくことが漁師さんの心意気、網を
広げ痛んだ場所を繕い、丈夫にしておいて漁に取り組みます。
陸(おか)で完璧にしておく作業がこの時期に行われています。



春を告げる魚、サヨリは遠州灘の水面近くを群れて泳ぎます。
二艘曳きサヨリ網は、フロートをつけて水面に浮き、逆側は鉛の
錘をつけて大きな口を開けています。
その網の両側を二艘の綱が曳くのです。



しらす漁と同様、サヨリ網の先端は袋状になっています。
荒い網目から次第に目がつまる袋網の先は、こうしてファスナー
がついています。
どっさりと網に入ったサヨリは船上でこのファスナーをあけて船上
にあけられるのです。

トラフグ漁終了の頃にはじまる春一番の漁がサヨリ漁、この漁が
はじまれば舞阪港に春がやってきます。

※取材協力:哲昌丸和久田船長 千葉丸大場船長