浜名湖の泥の中の恐怖 チワラスボ 

カテゴリー │浜名湖生き物みつけ隊!



「お~い いっちゃ 珍しいものがあるぞ」などと早朝の雄踏市場の着け場で漁師さんが呼んでくれる。
水揚げした魚の中に珍しいものが混ざればきっと教えてくれる。料理さんのご厚意でさまざまな生き物を紹介できています。

これはかつて紹介したチワラスボです。

食用にもなる有明海のワラスボが有名ですが、同じようなエイリアン顔、本家は茶色ですがこちらは赤ですのでチなどと名前がつくチワラスボです。

怖がらなくても噛みつかないよと笑われても手に乗せるのには勇気がいる生き物です。



エイリアンに襲われるシガニー・ウィーバーほどではありませんが、この姿はあまりお友達になりたくない姿です。

浜名湖の砂泥の中に棲むチワラスボ、汽水を好むことから汽水性と海水の生き物が混ざる浜名湖ならではの生き物です。






 

イソヒヨドリはサキちゃんの青い鳥

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A LONG ・V・A・C・A・T・I・O・N の後は自ら立たねばならぬ、ていねいに転ばぬよう歩いていきます。

浜松都心の10Fの南に面する窓を開ければ朝から鳥たちがやってくる。
同室の仲間が「鳥が鳴いてるよ」と知らせ、「シッ」と合図をして耳をすませば確かに鳥がさえずっています。

イソヒヨドリです。

そこに「お食事の時間ですよー」と笑顔のサキちゃんが朝食のトレイを持ってやってくる。
おじいさん、おじさんたちはテーブルを広く開けてトレイを待つのです。



「ほらほらサキちゃん、青い鳥がよい声で鳴いているよ」

一人がなぜか「エーデルワイス(映画サウンドオブミュージックで歌われた)」を歌い出す、それを聴いたサキちゃんが私も学校で習ったよと唱和するのです。

イソヒヨドリはその名のとおり磯がある崖に営巣する鳥ながら、高層ビルを崖とみなしてやってくることがあるそうです。

幸せの青い鳥はがんばる看護師のサキちゃんに、おじさん、おじいさんたちにも公平にその美しい声を聴かせてくれるのです。



 

テルさんの見つけたカブトムシツメのタイワンガザミ

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風吹けば豊漁、冬の始まりのような強い風が吹いた浜名湖、この時期に強い風が吹くと浜名湖に流れ入る河川から大量のスズキ(マダカ・セイゴ)が浜名湖へ下り、伝統の小型定置網にかかります。

浜名湖は今年最後のカニの水揚げの季節、浜名湖最大のカニ、浜名湖ドウマンが豊かに水揚げされ、ガザミやタイワンガザミも揚っています。
その中に珍しいツメを持つカニが水揚げされました。



舞阪の漁師与佐亀テルさんが見つけ見せていただいたのはタイワンガザミのメス、片側のツメが複雑な枝をつけ珍しい形になっています。

名付けて「カブトムシ角のタイワンガザミ」です。



カニはツメ(ハサミ脚)がとれてしまっても再生しますが、このカニは片側が二本生えた上に複雑に分岐している。
今まで見たことのない形に驚きました。

浜名湖のカニは市場以降の流通でケガがないよう、漁師さんがハサミの片側を切り取ってから市場に並びます。
浜名湖の漁師さんならではの気づきで珍しいカニを見ることができました。ありがとうございます。

※取材協力:浜名漁協 与佐亀テルさん
浜名湖生き物みつけ隊!




 

浜名湖の珍しいカニ カイカムリ メガネカラッパ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の満ち干を利用して海の魚や生き物が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

浜名湖伝統の小型定置網「角立て網(かくだてあみ)」での水揚げが多く集まる早朝の雄踏市場で珍しいカニを見せていただきました。

以前にも紹介しました全身毛に覆われたようなカイカムリです。
特徴的な赤いツメを持つカイカムリはその名のとおり、二枚貝の殻を被って身を隠しています。



こちらは前回紹介した写真の一枚、短い脚の一対が甲羅側を向いています。この脚で起用に貝を甲羅に背負うのが特徴です。

漁師さんに聞けば、漁の対象とはならないため水揚げすることは珍しい(混ざって揚った場合など)そうですが、浜名湖の砂底にいるのをみかけるといいます。



こちらは珍しいほどではなくコノシロ網(刺し網)などにかかるメガネカラッパです。
ご覧のように左右のツメの大きな黒丸がメガネのよう、そこでメガネカラッパという名になったのでしょう。

じつは左右のツメはそれぞれの役割を持ち、右ツメで巻貝の殻を割りながら尖って長い左ツメでその身をほじりだして食べています。

豊かな浜名湖には漁の対象でないさまざまなカニが棲んでいます。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 漁師のショージさん
浜名湖生き物みつけ隊!




 

浜名湖はサイマキ(天然クルマエビ)の季節 赤い個体を発見!

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浜名湖の6月、エサが豊富で静かな浜名湖はさまざまな生き物のゆりかごとなり、浜名湖の市場には育ちながら水揚げされる魚やエビ・カニなどが水揚げされています。

この季節から始まるのが浜名湖特産のサイマキ(細巻:天然クルマエビ)の水揚げです。
クルマエビはその名のとおり、体の模様からくるりと丸めれば車輪のように見えます。

早朝の雄踏市場で大きさ別に分けていた漁師さんから赤い個体を見せていただきました。



通常のサイマキはこんな色、獲れる海域によって色の濃淡があり、やや黒みがかったものなども見られます。
この季節にはじまり、真夏まで続く浜名湖のサイマキ(天然クルマエビ)は育ちながらの水揚げです。

浜名湖のサイマキ、この季節から天ぷらなどでお楽しみください。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏市場の漁師さん
雄踏港市場のお魚さん
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浜名湖の珍ガ二 貝殻背負ってカイカムリ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚や生き物が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

浜名湖の地魚・地ガニ・地エビなどが揚る早朝の雄踏市場に水揚げする漁師さんから声がかかりました。
「おぉい!いっちゃ(私)、珍しいのが網にかかったゾ!」

舞阪の漁師ショージさんが見せてくれたのは全身毛むくじゃらに赤いツメという見たことのないカニです。



調べてみればけむくじゃらでツメが赤いことから「カイカムリ」だとわかりました。
初めて見たカニでしたが、ショージさんはさすがにその生態を知り、教えていただきました。



背中から見れば後ろ脚が甲羅側へ向き不思議な恰好をしています。
「この貝は貝殻を背に背負ってるんだヨ!」とショージさん、これも調べるのに役に立ちました。

つまり貝をかむる(貝を被る)ことからついた名前なのでしょう。
後ろの脚でしっかりと貝を被って、じつに横にではなく縦に歩くというカイカムリです。

面白い生き物が見つかると雄踏市場の漁師さんは市場生け簀に備えたウォット(浜名湖体験学習施設ウォット)への寄贈生け簀に放っておく、市場が終わった頃ウォットのスタッフが回収し、小さな水族館で公開されています。

浜名湖は魚だけでも400種もの海の魚が見られる豊かな海、時に不思議な生き物に出会うことができるのです。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 舞阪漁師ショージさん
浜名湖生き物みつけ隊!




 

浜名湖の網にカメ、漁師さんの船でやってきた

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚や生き物が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

汽水とは言われますが浜名湖の漁の網にかかる幸を見ればそれは全て海の幸、アサリが採れ、牡蠣や海苔が育ち、海の魚が回遊し、育ちとまるで海といえる湖に私たちは暮らし、遊びます。

浜名湖の地魚が揚る雄踏(ゆうとう)市場の朝、漁師さんの船にカメを見つけました。今朝網をあげると入っていたというカメです。

※どんな種のカメかは知らないんです。詳しい方おしえて。



浜名湖に棲むカメといえばスッポン、浜名湖舞阪には日本一の養鼈(ようべつ)場、服部中村養鼈場があり、時にその養殖池から逃げたといわれるスッポンが網にかかったり、天然のものもいるといいます。

けれどもこのカメはごく普通のカメ、浜名湖にもカメが棲んでいる。多く流れこむ川筋から浜名湖へ降りたのかもしれません。

水揚げした魚や生き物を全て市場に運ぶわけではありませんから不明ですが、市場までやってきたカメを見たのは初めてでした。

「そのカメ、ウォットのところに入れといて」、浜名湖の漁師さんは珍しい魚や生き物がかかると市場に備えたウォット(浜名湖体験学習施設)寄贈用生け簀に放ち、回収してもらいます。

珍しい生き物を浜名湖を訪れる人に見てもらおうと協力しています。

浜名湖の小型定置網にはカメもかかると知りました。



※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏市場の漁師さん
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浜名湖の赤いカニはトラガニ、シマイシガニ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚や生き物が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

平日(月~土)の早朝に開市する浜名漁協雄踏支所の競りには秋熟れたワタリガニ、秋の深まりと共に下るスズキやマダカ(スズキの若魚)、これからは深みに降りたマハゼなどが水揚げされます。

今年は育ちが遅れた浜名湖のガザミやタイワンガザミが秋になって大きくなり、しっかり身が詰まったものが水揚げされています。

その中に極まれに赤い縞を持つカニが混ざります。シマイシガニです。



シマイシガニはその名のとおりガザミの類ではなく、浜名湖では小型のイシガニの仲間とされていますが姿はガザミに似ています。

このカニは美しい赤い縞を持つことから浜名湖では「トラガニ」、主に水揚げされる四国から関西では「阪神タイガース」とも呼ばれています。

シマイシガニは水揚げ数が少なく貴重なカニ、育てば大きなガザミほどに育ち、このカニもメジャーを当てればこれほどの大きさです。



主な産地である四国などではおいしいと人気のシマイシガニは浜名湖では珍しく、このカニは漁師さんの厚意で浜名湖の小さな水族館ウオット(浜名湖体験学習施設)へ寄贈されました。

浜名湖の珍しい生き物や魚は市場にあるウォットへの寄贈生け簀があり、その中にいれれば回収して運ばれています。

遠く南からの種が潮の流れで浜名湖に流れ入り、浜名湖ドウマン同様に浜名湖で育ち水揚げされています。
浜名湖では珍しいトラガニ、そして阪神タイガース(ファン)垂涎のカニが育っています。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏漁師吉田さん 
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浜名湖ガザミクラシック 甲羅を経たワタリガニ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

浜名湖の市場は早朝開市、浜名湖の地魚・地エビ・地ガニが集まる雄踏市場には秋にワタリガニが多く揚ります。
その中にまさに甲羅を経たガザミを見つけました。

名づけてガザミクラシック、古びた甲羅には大きなフジツボや共生する貝などがびっしりとついています

カニは何度も脱皮しながら育ちます。カニは甲羅いっぱいに身を詰めるまで育ち、やがて脱皮してさらに大きく育ちます。

脱皮したばかりのカニは市場ではブクと呼ばれています。まるで大きすぎる服を着たようにまだ身が詰まっていないカニのことです。



甲羅を経たカニとは脱皮から長く時間が経ったもの、それだけ身がしっかり詰まっていると想像できます。

それでも写真のように多くの共生を背負ったカニは珍しいもの、ほとんどは美しい甲羅のまましっかりと身を詰めています。

今年の浜名湖は暑すぎた夏だったからでしょうか、ワタリガニの育ちが遅く秋になって大きくズッシリと重いものが水揚げされています。
秋のご馳走が水揚げされる浜名湖の市場です。

浜名湖の市場・舞阪漁港の水揚げ状況は「海老仙 浜名湖遠州灘の魚介類・うなぎの販売」をご覧ください。

※取材協力:浜名漁港雄踏支所 海老仙
雄踏港市場のお魚さん




 

浜名湖のヒトデはアサリを食べる

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は潮の干満を利用して海の魚が生き物が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

浜名湖の幸が水揚げされる早朝の雄踏市場裏の水揚げ場、漁師のショージさんに声をかけていただきました。
「おーい いっちゃ!貝を食ってるヒトデがあるぞ!」

浜名湖の生き物は漁師さんに学ぶ、こうして魚やさまざまな生き物の生態を見せていただきます。

なんとこのヒトデは開いた貝の形に背を膨らませています。アサリを食うヒトデです。



浜名湖の大切な資源のアサリはかつての不漁から復活し、資源保護をしながら水揚げされています。
その中でアサリを食害する生き物も観察されています。

浜名湖の砂底に多く棲むヒトデもアサリを食べる。また浜名湖に多く大きく育つアカエイもアサリを掘っては食べています。
こうして知る浜名湖の生き物です。

漁師さんからいただいた声かけで浜名湖のヒトデはアサリを食うと知りました。

※取材協力:浜名漁協雄踏支所 ショージさん

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