ハダカイワシの夜 

カテゴリー │遠州灘のお魚さん

ハダカイワシの夜 

舞阪港の底曳き船(一艘曳き底曳き船)は、さまざまな種類の魚を獲り、
沖から氷で絞めて運び、港に戻り選別台で種別に分けていきます。

ほとんどが「売れる」魚ですが、中には小さすぎたり、数が揃わないた
めに海に放られて港の群れるカモメたちの遅い昼飯になるものたちも
あるのです。

「ハダカイワシ」です。

最初に見つけた時には傷んでいるものに見えましたが、網で獲られた
時点でとれやすいウロコが落ちてしまう種類だという。
それでハダカイワシなどと呼ばれているのです。

ハダカイワシ、じつは多くの種類に分かれていますが、どれもハダカは
共通している。ハダカ一貫、生まれた時はハダカ、などと人生において
もハダカは多くの喩えとして使われております。

ちなみに、ハダカイワシのその仲間は、メハダカ、ダイコクハダカ、タマ
ハダカ、チギレハダカ、シロハナハダカ、スイトウハダカ、サガミハダカ、
クマドリハダカ、ナミダハダカ、ハダカイワシ、フタツボシハダカ、ミホハ
ダカ、とここまででも相当の数でありますが、まだ続きます。

エビスハダカ、チカメハダカ、トドハダカ、クロシオハダカ、コビトハダカ、
オトメハダカ、ニラミハダカ、ガンテンハダカ、センハダカ、トックリハダカ、
ホクロハダカ、マヨイハダカ、カンムリハダカ、ツノハダカ、アガリハダカ、
チビハダカ、タカハダカ、ボウハダカ、ハナレハダカ、ツクシハダカ、ヒロ
ハダカなどなどと続いてまいります。
(まさか読んでいないでしょうねえ)

これだけの名前があれば、それでもちょいと読んでみますと、気になっ
てしまうものもありまして、同じハダカならと選んでもみる。

「クロシオハダカ」、「ナミハダカ」なんてのは筋肉隆々の漁師さんの真っ
黒い裸、健康的で勇ましく、働き者ですばらし。まるで舞阪の漁師さんの
ようだとおべんちゃらを言っておきますが。

かたや同じハダカでも「オトメハダカ」、「ホクロハダカ」、「ミホハダカ」、
「マヨイハダカ」なんてのはちょいと色っぽいものであります。
イワシの名前を読みながら、竜宮に行けばこんなイワシがいるかしらん
などと想像しております。

ハダカイワシの夜 

さてハダカイワシのこの体、丸裸になっておりますが、腹あたりに丸いも
のが並んでおります。
これは発光器だそうで、海の中でピカピカとやっているらしい。

夜の海に赤い灯青い灯がつきまして、ちょいと呑んで行こうかななどと
考えまして店に入ると、ちょいと色っぽい女将さんが、ホクロハダカのミ
ホハダカであったりしますと、ちょいと楽しい夜になりそうだ。

なんてお話は、舞阪港の夜のお話、健康的なあそび隊は早寝早起きだ
ぞと、軽い財布のせいだとは悟られないようにするのであります。

今度は舞阪港で「オトメハダカ」あたりを探してみることとしましょう。



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