南浜名湖あそび隊！

確か高校の古文の時間、先生は古文の楽しさを教える人で古き
人の心、今も同じであると例を持って話してくれた。
ゆえにその生徒は未だに古文に書かれたことは今の自分たちに
通ずる気持ちなのだと思っている。

弁天島海浜公園はJR弁天島駅から東海道を渡った反対側、ホテ
ルやマンション群の南側にあります。
ここは秋の夕焼けの名所、その頃にはカメラマンが赤鳥居に落
ちる夕陽を撮ろうと訪れるところです。

JR駅から徒歩3分であるこの公園には屋根付きの駐輪場があり、
学生たちはここまで自転車で来て電車に乗る。帰りは公園に戻
って自転車に乗って帰ってゆく。

夕暮れとなり人の顔が判別できなくなる時間を「誰そ彼（たそ
かれ）」と言う。そう古文の先生が教えてくれた。

弁天島の夕陽の時間も「たそかれ」となり写真はハレーション
を起こして誰かが近づいてきていても判別できないのです。

そこに現れたのは高校生のカップル。
学校帰りにここへ来て海辺を歩く青春たちなのです。

無粋なるカメラはそのカップル越しに夕陽を撮っていた。



たそかれと、また誰かが歩いてきます。
近づいてくればそれは同じようにカメラを持った人、夕陽の名
所と聞いて撮りにきたのだそうです。

カメラを持ち夕陽をみれば歩いて歩いて弁天島の景色を取り込
もうとする。
彼もカメラを持って歩く、じつは夕陽を見ながら後ろ後ろへと
後ずさりしながら行くのです。

「どうもどうも」「いえいえ」とお互いが写りこまないように
後ろへと同時に歩くのです。

駅から降りて３分の海があるのなら、そこは青春だけの場所で
はない、たそがれていようと、たそがれ近かろうとそこはやは
り夕陽に向かって・・いやいやバックして歩くところなのです。