舞阪漁港タイ網漁の活コウイカ

カテゴリー │☆浜名湖歳時記



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海に繋がる浜名湖の最南端の舞阪漁港は遠州灘の幸が水揚げされる産地市場です。

春漁豊かなタイ網漁は活ダイなどと共に産卵のために沿岸や浜名湖にも泳ぎ入るコウイカ類を水揚げしています。

通称スミイカとも呼ぶ多量のスミを吐く二種類のイカです。どちらも身が厚く刺身やさまざまな料理で楽む春から初夏の楽しみです。

こちらはモンコウイカ、紋(もん)と名にあるように体の模様は目のようなといいますが、キスマークにも見えませんか?

ちょっとモテモテのモンコウイカはコウイカより大きいものが多く見られます。別名カミナリイカとも呼ばれます。



こちらは体に縞状の模様を持つコウイカです。やや小型なのも特徴です。

どちらのイカも海に繋がる浜名湖にも泳ぎ入りルアー釣りの対象としても楽しまれていますが、砂底の藻などに産卵して孵化した稚イカは浜名湖で育ち、夏には数センチとなり新イカと呼ばれる寿司種となります。

やがてまた海へと旅立っていきます。

遠州灘もの、浜名湖ものともコウイカ類をお楽しみください。

南浜名湖あそび隊!


 

舞阪漁港の活魚漁 タイ網漁の勢い!

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海の産地南浜名湖舞阪漁港の遠州灘の幸を紹介させていただきます。春シラス漁豊かな舞阪・新居。

春漁豊かな舞阪漁港、遠州灘の活魚を水揚げされるのがタイ網漁(漁期3月1日~5月31日)です。

今朝はタイ網漁の水揚げを舞阪漁港の大漁船幸福丸の水揚げで紹介いたします。



洋上で揚げた網から船首デッキ下のカンコウ(生け簀)に移して泳がせたままで舞阪漁港に横付けした幸福丸はすぐに水揚げをはじめます。



カンコウから大ダモでマダイ(春の桜ダイ)やクロダイなどが水しぶきをあげてすくいあげられます。



活ダイの扱いは鋭いハリのような背ビレを避けるために両手のひらで拝むように持ち上げます。

海水を入れた大ダライから魚種、大きさ別に大ダルに分けていきます。



活魚の中には縞を持つ釣り人垂涎の魚、イシダイなども混ざります。

舞阪漁港ではナベと呼ばれるイシダイは高級魚、活魚のままを保って仲買さんの生け簀へと放たれる魚です。



活魚漁の競りは船の活きを保つため真横で行われます。大ダルに分けられた魚はここでだけ計量のためにボウラ(籠)にあけられて向こうで続く仲買さんらの競りの足元へと急ぎ運ばれます。



競る仲買さんの足元に滑らせてきたボウラの中の桜ダイです。急ぎ競り落とされた活魚は仲買さんの生け簀へと運ばれていきます。

舞阪の活魚は海からカンコウへ大ダルへと泳ぐ海をかえながら仲買さんの生け簀で落ちつきます。

扱いのよい舞阪の活魚をお楽しみください。

南浜名湖あそび隊!


 

舞阪漁港シラス水揚げからしらす干し加工へ

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海の産地南浜名湖舞阪漁港から遠州灘の幸の紹介をさせていただきます。(写真は過去撮影分より)

新年度漁期初漁となりました舞阪・新居のシラス漁は昭和のはじまりから水揚げする漁師さんと加工業の両輪が力を合わせ全国に誇る品質と味のしらす干しを生産しています。



洋上でシラスを獲るまでは男衆の仕事、舞阪漁港のシラス競り場からは女衆が力を合わせて働きます。競り落とされたシラスは加工業のトラックですぐに積み出されます。



加工場に到着したシラスは洗いの工程を経て右奥の煮釜(にがま)へと投入されていきます。舞阪シラス干しは水揚げ即加工のスピードで鮮度抜群なまま加工に入ります。



取材させていただいた工場の煮釜、中は奥からUの字に続きながら右側へと茹でながらシラスが進みます。

ここでの塩の量の具合が各工場・店の味の決めどころです。



茹でられたシラスは奥の乾燥工程に自動で運ばれて乾燥度によって釜揚げ・中乾・上乾などに分けられて加工されます。

ここで働く中心も舞阪の女衆、シラス船が出漁すると工場で到着を待って作業に入ります。

乾燥工程を終えたシラスは舞阪のしらす干しとなって梱包工程に運ばれます。



どの工程でも混ざりものなどないよう機械選別もありますが、最終的には目でのチェックが信頼の舞阪しらす干しの品質をあげています。

簡単な説明でしたが漁と加工が両輪となった即日加工の舞阪しらす干しの工程を紹介いたしました。

※協力:丸昌河合商店


 

舞阪漁港 キンチャクと呼ばれるウチワエビ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

舞阪漁港の漁にしばしば混ざるウチワエビは漁港では「キンチャク」と呼ばれています。



甲羅のまわりのトゲは鋭く、かつて脚に落として長靴に刺さったほど、活きているものを素手で手づかみはできません。

ウチワエビの身はもちろん尾の身ですが脚がついている胸部分まで及び意外なほど大きく身がとれます。

他のエビと同様刺身としても楽しめますが、ロブスターに近い味、漁師さんに聞けば茹でてサラダにするとおいしいとか



籠に入れられたウチワエビ、添えられる競り札にも「キンチャク」の文字、ご存知のとおりキンチャクは昔ならばサイフのことです。

舞阪ではかまいませんが、ほかで「キンチャクくれ!などと言うとサイフをよこせ!になるかもしれませんね。

ご用心ご用心

南浜名湖あそび隊!


 

舞阪・新居シラス漁のチリメンモンスターズ

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海の産地南浜名湖の舞阪漁港から遠州灘の幸を紹介いたします。

新年度のシラス漁が解禁となり今年も地元はもちろん全国から注目されています。

シラス漁は遠州灘広く二艘の船で一枚の網を曳く二艘曳きで春シラスを獲っています。

そのシラスの中に混ざる珍しいものを紹介いたしましょう。オビウオです。さてこれは何かの幼魚、どんな魚に成長するでしょうか?

答えはアナゴです。アナゴやウナギは成長過程でこのようなレプトケファレス期を経てお馴染みの形に育ちます。

この形でシラス網にかかることがあります。多く獲れる産地では食用にもされている産地名はオビウオです。



しらす干しの中にイカなどが混ざっていると子供は(子供の頃は)うれしいもの、遠州灘に育つさまざまなものがシラスに混ざることがあります。

しらす干しの加工過程で混ざるさまざまな幼魚や幼生をチリモン(チリメンモンスター)と呼び楽しまれています。

それでも加工工程では混ざりがない美しいしらす干しにしたいもの、特別にイカ混じりなどは生産してもほとんどは除かれています。



シラスの中に混ざった長細い魚、これはわかりますね!タチウオの幼魚です。

遠州灘沖はタチウオが育つ海、かつては何トンもの水揚げがあり港は夜になっても水揚げが終わらぬほどでした。

深い海で上を向いて立ち泳ぎをすることでも知られています。釣りの対象でもあります。

全国に誇る舞阪・新居しらす干し、春シラスをお楽しみください。

南浜名湖あそび隊


 

マトウダイはこう下処理するの

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海の産地南浜名湖から春漁で舞阪漁港に揚がる遠州灘の幸を紹介させていただきます。

春漁豊かなこの季節、活マダイやクロダイに混ざって水揚げされるのが体に的(まと)を持つマトウダイです。

一見カワハギやウマヅラハギなどと似ているように少し馬面(うまづら)なこの地味な魚の見分け方は名前のとおり体の中心の黒い丸、これを的(まと)に見立てた名前を持っています。

市場で漁師さんのお母さんが夕飯用に買ってゆくほどおいしくさまざまな料理で楽しめる魚です。

日本では産地以外ではポピュラーではない魚ですがフランスではその名もサン・ピエールという立派な名を持ち、ムニエルなどで楽しまれています。



マトウダイは鋭い背ビレを持つことから調理の際に注意が必要です。

仲買さんにその下処理の一例を教えていただきました。キッチンばさみでヒレごと切り取ってしまうのです。

煮つけたりムニエルにするならば大きな頭や尾ビレ、鋭い背ビレをチョキチョキと切り取ってしまう。カワハギ同様にうまい肝は別に取り出します。



これで下処理は完了、美しい白身の刺身(肝醤油も)も楽しめ、煮ても焼いてもおいしい舞阪の総菜魚がマトウダイです。

見かけましたらお楽しみください。

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世界最大のカニは舞阪ではヘイケカニ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

昨年秋から冬を徹して操業した舞阪漁港の底曳き漁の春の水揚げには世界最大のカニ、タカアシガニが混ざります。

育てば2mを越え最大では3メートルほどにも育つタカアシガニを舞阪では「ヘイケカニ」と呼んでいます。

ヘイケガニではなくヘイケカニと濁らずに呼ぶ、このカニは春に多く水揚げされることがあります。



かつて研究者に聞けば相模湾や駿河湾などに多いタカアシガニは、春に同様の深みや淵を持つ遠州灘に群れとなって移動してくるといいます。

時にその群れに網がかかり豊漁となることがあります。



底曳き網からはずされ、船首デッキ下のカンコウ(流水生け簀)で運ばれる舞阪のヘイケカニ、長い足は外れてしまうことも多く、完全なものが求められます。

落札されたヘイケカニは仲買さんの生け簀で休ませてから運ばれていきます。

舞阪の底曳き漁の春の名物のひとつです。

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遠州灘の金色のうりぼう イサキ

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海の産地南浜名湖から春漁タイ網に入るイサキの紹介です。

みなさん海水を勢いよくかき混ぜると泡が出てやがて風に吹き飛ぶほどになることをご存じでしょうか。

春を超えて夏を感じさせてくれる金色のうりぼうがイサキです。



活イサキは船のカンコウ(生け簀)の中を猛スピードで泳ぎまわりながら舞阪漁港にやってきます。そして大ダルに移されても泳ぎ続け海水を泡にしていきます。

舞阪漁港の仲買さんの生け簀、市場の仮生け簀などが泡を立てて吹き上げていればきっとイサキが活かされています。

もちろんイサキはもちかつをと並ぶ春から初夏の勢いとして楽しまれています。

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舞阪漁港底曳き漁 超深海にも達するコシオリエビ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

このエビを語るに深海を紹介する番組を例に出す。それも超深海の海を紹介する番組でしばしば視ることができるのがこのコシオリエビです。

超深海には熱水鉱床という噴水煙突といった場所があり貴重な鉱物などの宝庫でもあるという。

熱水が噴き出すようなところにこのエビの類が棲んでいます。



舞阪に揚がるのは200mほどの深海の入口で水揚げされるもの、腰折という名はその姿から尾を腹側に折り曲げています。

腹からみれば白く変わった尾の先を曲げているのがわかります。

同じく深海エビのアカザエビと同様長いハサミ脚を持っています。

水揚げ量は少なく貴重なもの、その海老は市場まで直接目利きにくる料亭・料理屋さんの目にかかり落とされていきます。

味噌汁にするとうまいんですよ。さすがに簡単にはいけない店、いまだ楽しめないでおります。

超深海から深海の入口に住むコシオリエビです。

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舞阪漁港 市場の赤い華はアカムツ・ノドグロ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

港の床に咲く赤い華のうち最も美しい色を持つのがアカムツ、通称はノドグロです。

舞阪沖には深い淵があり、その縁沿いに縦はえ縄を降ろし一匹づつ釣りあげる漁で主に水揚げされています。

同じ赤でも全身が赤いキンメダイより優美なのは白から浮き出す赤を持つから、赤紅に輝く見事さがアカムツの魅力です。



競り籠にはキロを超える大物からはじまり、小型までを分けて競りにかけられますが、その前に洗い清めた床に広げられての披露、深海の美魚の花が咲く時間です。

仲買さんはその大きさ扱いのよさからくる美しさを目利きしてキロ単価で競りをする。

市場一の高値をつける競り前のワクワクする時間です。

深海に棲むアカムツは色だけでなくうまい脂を持つ、市場からは料理人の腕が試される魚となります。

南浜名湖あそび隊!