舞阪お魚屋さんむかしばなし

カテゴリー │舞阪港市場のお魚さん

舞阪お魚屋さんむかしばなし

「アマダイはどう料理するとおいしいんですか」

舞阪港の午後、おいしそうなお皿サイズのアマダイを競り落とした
魚屋さんの前に座って話しを聞けば、口を開いていただけた。

「昔はな

家が今のとおり魚屋で、兄弟がズラリといてな、ところが魚が好き
なのはオヤジとオレだけなんだ。」

そこで飯の時間となれば二人で魚を焼く、家は忙しいから自分で
焼くんだ。今のようにガスじゃないよ、七輪を持ち出して焼きはじめ
るんだ。

アマダイを、こう七輪に乗せて(大切に乗せる様子)、そう乗せるだ
けで塩なんか使わないんだ。面倒だからね、そんなことしなくても
うまいんだ。

アマダイはな、焼いても皮が残ってな、それで焼いてるとオヤジが
顔を出して飯にしようと言う、二人で飯碗を持って焼けるのを待っ
ている。

あまりいい匂いがするから二人で我慢できなくて箸を出す。
オヤジが箸を出すと「まだ焼けてないよ」とオレは言う。

オレが箸を出すと、オヤジがまだだととめる、そんなこと繰り返して
アマダイが焼ければ、二人だけのご馳走飯となるんだ。

たっぷりの飯に焼けたのアマダイ、皮をべろりとむいてな、身をこう
ホクッとな、これがうまいんだ。塩もなしでだぜ。

アマダイはここ舞阪の人は好物でも、浜松の人なんかはまるで知ら
ないんだ、居酒屋や料理屋に行けばそれなりの値段の高級魚とな
るからね。普段は見たこともない、料理することもないからね。

食べてもらいたいねえ それも七輪で焼いてさ。
あれはうまいんだ。 

腹へってきたねえ。



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この記事へのコメント
イチロー@二代目弁天小僧さん、おはようございます

以前、サッカケ漁の話をカキコしました(昭和20年代)・・・帰港の迎えで出漁すると問屋に手伝いに行ってました。

河豚、鱧は殆ど関西送りでした・・・。
問屋に出荷できない魚はえんばいとしてノリコさんたちとじゃんけんやくじで分けていました。

木製の弁当チギや舞阪オーバー、ターバン回想します
あまはシラカワとアカと有り焼き魚、煮魚、アラはうしおで食べていました
Posted by 通りすがり at 2012年07月01日 02:49
通りすがりさん こんにちは
いつも旧き舞阪をお教えいただき感謝します。
曳き網漁の船に残された船は、えんばい分かなと思って
おりました。じゃんけん、これもいいですね。
先日聞けば現在のボウラもまだ数年前からのものだとか
漁具に興味をもっています。プロの道具面白いものですね。
Posted by イチロー at 2012年07月01日 17:41
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