2013年06月18日19:44

「たいしてよい暮しができるわけじゃないけれど、おいしいお魚が
食べられるのが自慢だよね」
産地の市場、孫がいるであろう女性たちが話をしています。
ちょっと聞き耳を立ててみましょう。
「うちの孫はね、外食しても絶対にエビだけは食べないんだよ、
浜名湖のおいしいエビを普段から食べていると、冷凍海老の料理
はわかるみたい」
うむうむと聞いている。
先日浜名湖のサイマキ(クルマエビ)を茹でて食べたばかり、ボウ
ルに山と積んだエビの殻を手間をかけて剝く楽しさは、先に試して
その味の深さを知ったからであり、頭をはずし、殻をパリパリと剝
いてゆく作業は、口の中に後を引いている気持ちが励ましていた。

「回転寿司に行くでしょう、子供がエビを見ても手を出さない、最近
はエビを見ても手を出さないよ」
一般市場に出れば高級な浜名湖のエビ、地元ならばお惣菜感覚
で家族の分だけ買うのならさほどでもない。
新鮮すぎるくらいだから、素材そのものを大切に、茹でる蒸す簡単
に焼くだけで、行ったこともない高級店や割烹で出るのだろう魚や
エビやカニが手に入る。これが産地の魅力である。
さらに産地には「えんばい」という美しい風習があり、多く獲れれば
もしくは知り合いならば、一緒に楽しもうとそれを配る。
そして漁のハシリ、漁の旬の喜びを共に味わっている。
隣のおじちゃん、おにちゃんが獲ってきて配ってくれた今日の魚な
のである。
「他のものは別にしても、魚の目利きになっちゃうね」
もちろん目利きになるのは子供たち、夕ご飯に新鮮そのもの、獲っ
た人の顔までわかる魚やエビ、カニなどを贅沢に食べて育つので
ある。
パリパリと殻をむいたクルマエビの身を、さてサラダにしようか何と
混ぜようか、それともそのままエビの香りそのものを楽しもうかと考え
て丁寧に剝いてゆく。
産地の喜びは決して高級ではない夕ご飯にある。
冷蔵庫を経ないほどの魚やエビ、カニが家族分あればよい。
そしてそれは夕ご飯のお総菜ほどの手軽さなのである。
産地の子 産地南浜名湖に育つ子≫
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「たいしてよい暮しができるわけじゃないけれど、おいしいお魚が
食べられるのが自慢だよね」
産地の市場、孫がいるであろう女性たちが話をしています。
ちょっと聞き耳を立ててみましょう。
「うちの孫はね、外食しても絶対にエビだけは食べないんだよ、
浜名湖のおいしいエビを普段から食べていると、冷凍海老の料理
はわかるみたい」
うむうむと聞いている。
先日浜名湖のサイマキ(クルマエビ)を茹でて食べたばかり、ボウ
ルに山と積んだエビの殻を手間をかけて剝く楽しさは、先に試して
その味の深さを知ったからであり、頭をはずし、殻をパリパリと剝
いてゆく作業は、口の中に後を引いている気持ちが励ましていた。

「回転寿司に行くでしょう、子供がエビを見ても手を出さない、最近
はエビを見ても手を出さないよ」
一般市場に出れば高級な浜名湖のエビ、地元ならばお惣菜感覚
で家族の分だけ買うのならさほどでもない。
新鮮すぎるくらいだから、素材そのものを大切に、茹でる蒸す簡単
に焼くだけで、行ったこともない高級店や割烹で出るのだろう魚や
エビやカニが手に入る。これが産地の魅力である。
さらに産地には「えんばい」という美しい風習があり、多く獲れれば
もしくは知り合いならば、一緒に楽しもうとそれを配る。
そして漁のハシリ、漁の旬の喜びを共に味わっている。
隣のおじちゃん、おにちゃんが獲ってきて配ってくれた今日の魚な
のである。
「他のものは別にしても、魚の目利きになっちゃうね」
もちろん目利きになるのは子供たち、夕ご飯に新鮮そのもの、獲っ
た人の顔までわかる魚やエビ、カニなどを贅沢に食べて育つので
ある。
パリパリと殻をむいたクルマエビの身を、さてサラダにしようか何と
混ぜようか、それともそのままエビの香りそのものを楽しもうかと考え
て丁寧に剝いてゆく。
産地の喜びは決して高級ではない夕ご飯にある。
冷蔵庫を経ないほどの魚やエビ、カニが家族分あればよい。
そしてそれは夕ご飯のお総菜ほどの手軽さなのである。