舞阪港カツオ漁 黒潮に開く長い手

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舞阪港カツオ漁 黒潮に開く長い手

「黒潮の本流が幹ならね、太い枝を持っている、枝潮というんだ」

枝潮に長く伸ばした長い手を広げる漁徳丸は底当たり(トリヤマ
などに頼らずに縄を曳くこと)で海を行きます。

カツオの群れは潮のどこかを横切ります。船は運と勘で走ります。
船の無線はひっきりなしに僚船の様子を伝え、漁徳丸は選んだ海
域を探ってゆく、カツオと漁徳丸の航路は今、クロスするかもしれな
いのです。

舞阪港カツオ漁 黒潮に開く長い手

わずかの鳥が海を薙いで飛んでいきます。
釣れない時間は炸裂の瞬間を待つ時間です。

エージ船長と交わしたヒットがはじまる瞬間の名は「黒潮のカツオ
まつり」、一匹ヒットすれば、曳いている八本の縄は全てが踊り出す。
船長は船尾に走り、「見張り」は瞬間にカメラマンとなる、その瞬間
を舞っているのです。

舞阪港カツオ漁 黒潮に開く長い手

そしてその瞬間は確実にやってくる。
「船長!」と呼ぶ瞬間に、もうエージ船長は縄を曳きはじめている。

「まつりだぁ!」、広角レンズを放り出し、定まらない腰で黒潮のうね
りをダンスして止め、望遠レンズでビリビリ震えながら縄に曳かれる
カツオを追う、定まらない間にカツオは縄を超えて突進し、潜行する。

汝、黒潮の子なり、黒潮の子は船長も同じ、腰を少し沈めて安定さ
せて縄を曳く、勝負をかける。

にわかカメラの子など、まるで相手にしないで「二人」は黒潮の勝負
をし、次の子は体を震わせながら「さあ次は俺だ」と暴れている。

黒潮のカツオまつりは最高潮となってゆく

※取材協力:漁徳丸




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