2019年10月09日17:58

浜名湖のアマモを再生させよう!ここでお伝えしています浜名漁協庄内地区アマモ場研究会の活動・関連につきまして静岡新聞の取材報道に続き社説に取り上げていただきましたので新聞紙面から紹介させていただきます。
<2019年10月9日静岡新聞 社説>
浜名湖の水産資源 アマモ場再生で回復を
浜名湖で水生生物のすみかや産卵場所になる海草のアマモが激減している。浜名湖では潮干狩りの中止に追い込まれた近年のアサリの不漁だけでなく、水産物全般の漁獲量もこの10年で半減している。複合的な要因が指摘されているが、アマモ場の減少もその一つといわれている。
冷蔵
アマモの群生は、水の流れを穏やかにするため、産卵場や稚魚、幼魚の隠れ家となる。地元漁師が「海のゆりかご」と表現するように、魚やエビ、カニ、貝など多種多様の生き物が集まってくる。光合成で酸素を作ったり、水中の汚れを吸収したりする役目も果たす。アマモ場は豊かな漁場を支える存在といえる。
アマモ場の原因ははっきりしていないが、アマモ場が増えれば水揚げ増が期待できると、浜名漁協の組合員らが本年度、研究会を発足させ、アマモ場の再生事業に乗り出した。6~7月に採取して選別した種を冷蔵保存中で、水温が下がる発芽期の冬場に植える計画だ。浜松市が助成金を出す。静岡県水産技術研所浜名湖分場もアマモの役割から水産資源の回復が予想されると協力する。
浜松市や湖西市、静岡県は浜名湖を観光資源としてPRしているが、食の恵みが減ってしまえば魅力も低下する。研究会の取り組みの成果を見極めるのは何年か先になるだろう。行政には継続的な支援を求めたい。
アマモ場の減少は全国的な現象といわれ、情報交換の場として全国アマモサミットも毎年、開催されている。公的研究機関による浜名湖のアマモの分布調査は約20年間、行われていないが、アマモの減少は新たに分布図も作成している研究会メンバーが確認している。
浜名湖の漁業を支えてゆく30~40代が中心となって研究会を作ったのも、危機感の表れだろう。
浜名湖は遠州灘に近い南側に多年草が、湖北部に一年草が多く分布することが分かっている。アマモは水温が高くなると、一年草を中心に繁殖が難しくなるとされ、今年のアマモの激減は昨夏の酷暑に起因するとも考えられている。浜名湖の水産物不漁の原因は、アマモの減少に加え、水温の上昇、塩分濃度の上昇、河川からの流入水量減少などが挙げられる。
研究会メンバーは2017年アマモサミットの会場となった三重県志摩市の関係者の元を研修に訪れている。浜名湖のアマモ減少は海岸とは異なる汽水湖特融の要因もあるだろうが、他の先進地の取り組みも参考にしてより効果的な方策を見出してほしい。
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カテゴリー │☆浜名漁協庄内地区アマモ場研究会

浜名湖のアマモを再生させよう!ここでお伝えしています浜名漁協庄内地区アマモ場研究会の活動・関連につきまして静岡新聞の取材報道に続き社説に取り上げていただきましたので新聞紙面から紹介させていただきます。
<2019年10月9日静岡新聞 社説>
浜名湖の水産資源 アマモ場再生で回復を
浜名湖で水生生物のすみかや産卵場所になる海草のアマモが激減している。浜名湖では潮干狩りの中止に追い込まれた近年のアサリの不漁だけでなく、水産物全般の漁獲量もこの10年で半減している。複合的な要因が指摘されているが、アマモ場の減少もその一つといわれている。
冷蔵
アマモの群生は、水の流れを穏やかにするため、産卵場や稚魚、幼魚の隠れ家となる。地元漁師が「海のゆりかご」と表現するように、魚やエビ、カニ、貝など多種多様の生き物が集まってくる。光合成で酸素を作ったり、水中の汚れを吸収したりする役目も果たす。アマモ場は豊かな漁場を支える存在といえる。
アマモ場の原因ははっきりしていないが、アマモ場が増えれば水揚げ増が期待できると、浜名漁協の組合員らが本年度、研究会を発足させ、アマモ場の再生事業に乗り出した。6~7月に採取して選別した種を冷蔵保存中で、水温が下がる発芽期の冬場に植える計画だ。浜松市が助成金を出す。静岡県水産技術研所浜名湖分場もアマモの役割から水産資源の回復が予想されると協力する。
浜松市や湖西市、静岡県は浜名湖を観光資源としてPRしているが、食の恵みが減ってしまえば魅力も低下する。研究会の取り組みの成果を見極めるのは何年か先になるだろう。行政には継続的な支援を求めたい。
アマモ場の減少は全国的な現象といわれ、情報交換の場として全国アマモサミットも毎年、開催されている。公的研究機関による浜名湖のアマモの分布調査は約20年間、行われていないが、アマモの減少は新たに分布図も作成している研究会メンバーが確認している。
浜名湖の漁業を支えてゆく30~40代が中心となって研究会を作ったのも、危機感の表れだろう。
浜名湖は遠州灘に近い南側に多年草が、湖北部に一年草が多く分布することが分かっている。アマモは水温が高くなると、一年草を中心に繁殖が難しくなるとされ、今年のアマモの激減は昨夏の酷暑に起因するとも考えられている。浜名湖の水産物不漁の原因は、アマモの減少に加え、水温の上昇、塩分濃度の上昇、河川からの流入水量減少などが挙げられる。
研究会メンバーは2017年アマモサミットの会場となった三重県志摩市の関係者の元を研修に訪れている。浜名湖のアマモ減少は海岸とは異なる汽水湖特融の要因もあるだろうが、他の先進地の取り組みも参考にしてより効果的な方策を見出してほしい。