南浜名湖稲光 赤鳥居大鹿現る

カテゴリー │浜名湖(うみ)の物語

南浜名湖稲光 赤鳥居大鹿現る

海からゴロゴロと音が響けば、遠州七不思議のひとつ「波小僧」が
明日の天気を知らせているのかと夜の海を眺めます。
南浜名湖弁天島の海には、夜は赤鳥居が光りの中に浮かんでい
ます。

昨夜のゴロゴロは雷がやってくるゴロゴロ、稲光が海を一瞬に浮か
び出す、ワクワクするような時間を過ごします。

「オレはな、子供ん時、雷がなるとうれしくて雨の中でも飛び出して
いったもんだよ」、今朝の話題は昨晩の稲光、漁師さんが話します。

「台風が近づくとソワソワうれしくて、蝋燭でも出したら興奮して眠る
どころじゃないんだ」、子供に雷も台風もうれしいもの、停電になり
蝋燭を囲んで家族が集まるような夜は、被害がない限りうれしいも
のなのです。

赤鳥居の空高く、まるで稲光を見事な角にした大鹿が現れます。

南浜名湖稲光 赤鳥居大鹿現る

大鹿が去った後も、空に伸びる稲光は続きますが、浜名湖の伝統
漁たきや漁の漁り火も、今切に浮かぶエビすき漁の光も灯ったまま、
浜名湖の夜は、夜も漁する、楽しむ船が浮かんでいます。

稲光の大鹿たちはそれを察したのでしょう、南の洋上を浜名湖に近
づかないよう東へと去っていったのです。

南浜名湖稲光 赤鳥居大鹿現る

ゴロゴロと転がる音をさせながら、時に明るく海を照らして稲光は去
って行きました。

「イタズラして親に押し入れに入れられただろう、オレは押し入れの
中ですくに寝ちまうんだ、こいつは図太いからこれじゃあだめだと、
が呆れてたよ」

漁師さんと共に大笑いする朝、いつまでも少年を持つ僕らは、もっと
盛大にゴロゴロさせて、大雨が通り過ぎ、停電でも起きていたらと
思っていたのです。



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