舞阪港底曳き漁の小さな深海魚図鑑

カテゴリー │☆浜名湖歳時記



南浜名湖は海の産地、陸(おか)から見れば水平線辺りの300mもの深海に網を曳くのが舞阪港共榮丸の漁師さんです。

舞阪の9月から翌年5月まで舞阪名物メヒカリや舞阪の甘エビことアカスエビ、ノドグロなどを水揚げする網に深海の珍しい小さな魚が混ざっています。(大きなものは洋上で海に還されています)

その中からよく見つけることができる魚を紹介しましょう。

深海魚の特徴ともいえる長く消えてゆく尾を持つのがツンと鼻(吻)を伸ばすトウジン類、その下には鼻が丸いソコダラ類がいます。

その下はキホウボウと長いヒゲを持つヒゲキホウボウです。まるで古代の硬骨魚のように堅い鱗を持つ、キホウボウ類は舞阪港の深海魚の人気者です。

左はマトウダイにも似た深海に棲むカゴマトウダイ、その下には利用が始まったハシキンメがいます。

深海の魚はキンメダイやノドグロ(アカムツ)などと同様にうまい脂を持ち、どの魚も食べることができます。

浜名湖から海へ出た深海には不思議な形の魚たちが棲んでいます。

南浜名湖あそび隊!


 

舞阪ユリカモメはカモメの水兵さん 舞阪漁港建屋の屋根

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

舞阪の冬、カワウやカモメが群れて漁する豊かな浜名湖にやや小型のカモメが遊んでいます。



場所は舞阪漁港入り口のすぐ南側、江戸時代に湖に突き当たる宿であった舞阪から海上一里で新居へと渡る渡船場「北雁木(きたがんげ)」が保存されています。

ここは牡蠣の水揚げにも使われることからおこぼれをもらうユリカモメがやってきています。

カモメの水兵さんという歌はおそらくユリカモメを歌ったもの、白い帽子に白いシャツ、なんといっても赤い靴(脚)を履いています。
大型のカモメに比べとてもかわいらしい姿がプカプカと浮かんでいます。



もうひとつの話題はユリカモメの特徴的な羽を広げた姿を模して舞阪漁港の屋根がつくられていることです。

冬鳥たちが多く越冬する舞阪、浜名湖、海とつながることで豊かな魚や生き物が棲む浜名湖の豊かさを見ることができます。

南浜名湖あそび隊!


 

舞阪漁港の青い目 耳持つイカはミミイカ

カテゴリー │☆浜名湖歳時記



南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は遠州灘に漁する漁師さんの水揚げ産地市場です。

9月から来年の5月15日まで陸(おか)から見れば水平線辺りの200mもの深海に網曳く底曳き漁の水揚げは舞阪の自慢、深海の美エビ、アカムツなどうまい脂を持つ魚が揚がります。



その中に青緑の美しい目をした小さなイカが混獲されています。ミミイカです。

ミミイカは胴(外套)にまるで耳のように見える大きなヒレを持ち、写真のようにヒレを使ってまるでダンボのように泳ぎます。



舞阪や浜名湖で多く獲れるコウイカの仲間で丸々としていることからダンゴイカの仲間、そして種名はミミイカとかわいい名前を持っています。

小さいながらもおいしいミミイカ、浜名湖ものはほんの小さいものですが、遠州灘で育つミミイカは水揚げは少量ですがかわいらしい舞阪の幸のひとつです。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港共榮丸

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浜名湖 カワウ群れて漁する舞阪港

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南浜名湖は海の産地、冬の海は風と波の海、舞阪港から遠州灘へ出漁する漁は休漁が続いても港は鳥の漁師さんで賑わいます。

空が朝の青に染まる頃、空に雁金の編隊を組んで港や遠州灘に漁にやってくるカワウたちです。

その見事な編隊の大きさは時に驚くほどの列となって海を目指していきます。

そっと近づけば港の海面には多くの鳥の潜水艦が潜望鏡をあげています。カワウの漁に同行するカモメたちがやってきます。

カワウの群れは小魚を追い、潜って魚を獲り、カモメは水面に浮いた魚を獲る、鳥たちは連携して漁をしています。

たった一人危険のなさそうな男が抜き足差し足で近づいても、気づいた群れは飛び立ちます。



カワウは冬の浜名湖にやってくる冬の海鳥です。人が近づけない湖岸の木に営巣し、冬の間に産卵して子を育てます。

酸を含むなフンで真っ白にして樹木を枯らすことから、群れがやってきた地域では追うために空砲を撃つなどの対策が行われています。

見事な編隊を組み弁天島前の海に魚を追うカワウたちは群れたまま一斉に海に飛び込みます。

そこには群れが追うほどの魚の群れがいることを表しています。



そして一斉に群れが舞い上がればその口には魚が銜えられています。

カワウの頭の羽が白いものは繁殖の印、婚姻色を帯びるオスです。

真冬の浜名湖はアサリ漁師さんと牡蠣、海苔漁師さんの海、魚を獲る漁は休漁期間です。

まるでそれを知るようにやってくるカワウたちは遠州灘沿岸と浜名湖の魚を独占しています。

一羽でもキロ単位で魚を食うというカワウが数千羽、浜名湖の遠州灘の豊かさを表す冬の風物詩のひとつです。

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舞阪漁港底曳き漁のエビたち アカスエビ・ミノエビ・ボタンエビ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪から遠州灘に出漁する底曳き漁が美しいエビを水揚げしています。

陸(おか)から見れば水平線辺りの200mもの深海に網を曳く一艘曳き底曳き漁は9月15日から翌年5月15日までが漁期、冬漁は舞阪名物メヒカリと共に美しいエビが豊か、まずは3種の美エビを紹介いたしましょう。

写真はアカスエビ、底曳き漁で最も量があがり生でもおいしく楽しめることから舞阪の甘エビとも呼ばれています。

甘エビと同様深海のエビはうまい脂を持ち、パリンパリンと殻をむいてそのまま楽しめます。

また色が変わりやすい頭などを取り、冷蔵すればより脂がなれておいしくなり、茹でて冷凍して保存すれば料理の万能エビとして使えます。



少量ですが底曳き漁に混ざるのがミノエビです。

頭が大きく体までまるで蓑(みの)を被ったような姿からミノエビ、生でまた味噌汁などに入れてもおいしい貴重なエビです。



ボタンエビは寿司種にもなる高級エビ、同様に底曳き網に少量混ざり注目されるエビです。

オレンジ色に近い体にボタンの花のような美しい赤、ミノエビなどより大きく身が多いことから珍重されます。

寒中の海に出漁し最も沖で操業し揺れる船上での選別作業もあることから苦労が多い底曳き漁の漁師さんが冬の舞阪に咲く真っ赤なエビたちを水揚げしています。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港共榮丸

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カワウの大群 一年で最も寒い季節の弁天島

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この写真は過去同時期のアーカイブで本日は雪ではありません。

南浜名湖は海の産地、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ浜名湖は海ともいえる湖です。

しらす漁は1年の漁期を終えて3月半ばまで休漁期となり、同じく雄踏・鷲津などの浜名湖の漁も漁期を終えて4月を待ちます。

出漁するのは舞阪漁港のトラフグ漁や底曳き漁のみ、今切口も静かな冬がはじまっています。



一年で最も寒い時期に営巣して子を産み育てるのがカワウたち、弁天島のいかり瀬にはカワウの大群がやってきています。

瀬の形どおりに波打ち際に集まればまるで無精したあごヒゲのようにも見える大群の来襲です。

網漁が漁期を終えても育てる漁業はまさに旬、この冷たい海に浜名湖海苔漁師さん、牡蠣漁師さんの船が行きます。

夜明け前から働く漁師さんの、船の吐く息の色が白く風に飛ばされています。

カワウの大群を育む今切近い弁天島、冬豊かな浜名湖の景色です。

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舞阪漁港 メヒカリの光る目を撮るには

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は、潮の満ち干を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。

舞阪漁港の底曳き漁で水揚げされる通称メヒカリはその名のとおり目が光ってみえる小さな魚なれど炙っておいしい実力魚、冬には庭で干す様子も見ることができます。

メヒカリを食べたことがなければ残念、一度炙って食べるとその脂のうまさにまさに目を見張ります。

種名もアオメエソ、その名のとおりですが漁港でメヒカリをメヒカリらしく撮るには少し苦労します。



まずは直射日光に当たっていない陰であること、光った目は反射によるものであまり暗いところではいけない。

そして光る角度もありますから、カメラを構えたまましっかり光っている角度までもってゆく。

そして静かにシャッターを切りますが、そこは水揚げ場、じゃまにならぬように瞬時にとって移動します。

メヒカリ撮る前に周りに気をつけて目を配るべし、食べるのも撮るのも少し努力が必要な小さなご馳走魚です

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舞阪漁港トラフグ 丸く膨らんだトラフグ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪は遠州灘に網を曳き幸を水揚げしながらも外洋に面しない良港です。

真冬の海は風の海、沖の荒れが続き出漁がままなりませんが風止めば舞阪のトラフグ船団が全国から期待される漁が再開されます。

トラフグは1kg台の小さなものから育てば10キロに近いほどの大物にもなりますがフグですからこんな風に膨らんでしまうこともあります。



トラフグの腹が膨らむと腹はスベスベではなくこのように細かい突起に被われています。

素手で持ち上げればやや痛いほどの突起は、体を膨らませて天敵などに対抗する手段なのでしょうか。

一本の縄に約600本ものエサがつけられた枝バリをつけて遠州灘に沈め巻き上げる漁師さんは釣りあがったトラフグを大切に活かして水揚げします。



このように膨らまないように運ぶのが大変ですが、港に着いて競り用の借り生け簀に放たれても大きく膨らんだままのトラフグとならぬよう漁師さんが鎮めています。

全国が求める舞阪のトラフグ漁は秋から春の漁、10月から真冬を越えて3月まで行われます。

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舞阪漁港トラフグ漁にハンマーヘッドシャーク

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は舞阪の冬漁を代表するトラフグが水揚げされています。

舞阪漁港の午後、次々と初漁のトラフグ船団が凱旋する船のデッキにあのサメを見つけお願いして見せていただきました。

シュモクザメです。



頭部が左右に張り出してその先端に目と鼻孔があり、鐘や鉦(和楽器)を打ち鳴らす丁字形の撞木(しゅもく)のような頭の形をしていると説明されるシュモクザメはハンマーヘッドシャークと英名でも呼ばれています。



怖いもの見たさのシュモクザメ、遠州灘には海水浴場はありませんが、こんな、これより大きなシュモクザメも多く見かけるそうです。

異形中の異形、ハンマーヘッドも舞阪漁港で見ることができます。

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舞阪トラフグ漁の外道は美しい羽を持つホウボウ

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南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港から遠州灘に出漁するトラフグ漁の外道(狙いとは違う魚の意味)で美しい魚が揚がっています。

まるで蝶のような美しい羽(胸ビレ)を持つホウボウです。

ホウボウは死ぬと真っ赤になりますが活魚ではこのような美しい色をしています。



まるで兜を被ったような大きな頭、真っ赤な色から古来から武家で珍重され君魚とも呼ばれた高級魚であるホウボウは美しいだけでなく多くの特徴を持っています。



羽のような胸ビレを持つこと、活きたものは浮き袋を伸縮させて「ボウボウ(ホウボウという名はここからとか)」と鳴くこと、胸ヒレの一部がまるで脚のように進化して砂底を這うように進むことなど。

舞阪漁港では水揚げされ競りにかけられる魚に魚種と計量した重さを書いた札が置かれますが、ホウボウは「方々」や「方」と書かれています。

美しい冬の潮の海底からトラフグに混ざって釣りあがるホウボウは冬の市場の美しい赤のひとつです。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港の漁師さん

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