海 蒼いその底から

カテゴリー │海のおはなし

海 蒼いその底から

弁天島から海を眺めていると、今切の向こうに水平線が見え、
その沖に向かって行く船を見ることができます。

弁天小僧はパタパタと海岸を歩き、海を眺めるのみですが、
知り合っ漁師さんに「行ってみるかい」と誘っていただけば
あの青い海の先へ行けるのです。

この夏は数回「沖」を経験しました。

陸(おか)からばかり海を眺めていれば「沖」から見る陸を
知りません。その経験ができた夏でした。

海は時にまるで青いおしるこ水のように静かになります。
ぐらりゆらりと揺れるうねりを止め、風もとめて船を沖に
プカリと浮かべます。

海 蒼いその底から

その海から網を曳きあげる喜びといったら表現ができない
感覚があります。

船尾から海を覗けば顔が映りそうに透き通っています。
網を静かにゆっくりと曳けば、網につれて小さな水輪が起
きて海の宝たちが揚がってくるのです。

海 蒼いその底から

この日は三枚刺し網漁、早朝2時から沖へ出て、夜明けと共
に網を曳き、曳き綱を汗びっしょりになって回収した結果
がここからです。

海は多くを恵んでくれます。
それを大切に揚げていきます。
静かな海にプカリと浮かんだ船は夜明けの光の中に包まれて
います。

そして網にたくさんの魚がかかっているといいがなあと期待
して覗きこむのです。

台風、台風、早くおさまってまた海を静かにしておくれ。
また蒼い青い海になっておくれと待っているのです。

取材協力:漁徳丸



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