浜名湖のアサリ復活 天然採苗の成果に期待する

イチロー@南浜名湖.com編集長

2013年10月07日 14:15



浜名湖のアサリを復活させよう!
今春、激減した浜名湖のアサリに、潮干狩りを勇断を持って中止
し、資源保護につとめた今期、浜名湖のアサリ漁師さんの組合
「浜名漁協採貝組合連合会(山本兼三会長)」は、全国で初の
漁師によるアサリの人工種苗、天然採苗に取り組みました。

5月28日に始まったこの二つと稚貝移設を含む活動をレポートし
た「浜名湖のアサリ復活作戦 アサリ種苗」は本記事を含め54回
お届けしましたが、今期この話題は最終回となります。



浜名湖に八支所(舞阪本所・新居・鷲津・入出・気賀・白洲・雄踏
・村櫛)を持つ組合は、それぞれのアサリ漁場に天然採苗の袋を
沈め、それぞれの袋の中に育った稚貝を数えます。

天然採苗とは浜名湖に浮遊するアサリの幼生が育ちやすい環境
をつくる砂利などをいれた袋を沈め、稚貝を育てるもの、袋の砂利
などの間で育つ稚貝は捕食するチヌなどから守られて育ちます。

袋の中から次々と稚貝を拾った組合員は、続いて湖底の砂を袋と
同量分ほど採取し稚貝を数えます。



舞阪本所が設置した天然採苗場では、袋の中には多くの稚貝が
育ち、回りの砂からはごく少量の稚貝しか採集ができなかったこと
から、天然採苗の成果が高いのではないかと思われます。



多くの稚貝を育てた天然採苗の袋は、再び漁場に設置され、今回
採集しなかった継続調査の袋とともに浜名湖の将来を育てていき
ます。

この調査の結果は今年度の人工種苗、天然採苗を技術面で指導さ
れた静岡県水産技術研究所浜名湖分場の霜村さんに託され、他の
支所の結果と共に研究が続けられていきます。



浜名湖のアサリの激減に、復活の取り組みを興し、人工採苗、天然
採苗とも成功を収めた浜名漁協採貝組合のみなさんの活動は、多くの
先達の支援を仰ぎ、浜名湖方式と呼べるノウハウを生み、初年度の
成功を見ています。

漁場では夏過ぎから稚貝が育ち、漁獲も上がってきています。
採る漁業から育てる漁業へ、豊かな浜名湖を舞台に全国初のアサリ
復活事業の初年度を成し遂げた組合員のみなさんは、酷暑の中を
共に稚貝を育て、浜名漁協アサリ種苗センター生まれのアサリを初め
て漁場に放ち、浜名湖の将来を育て初めています。

長くお読みいただき感謝いたします。
そして浜名湖のアサリ復活にかけ、将来を育てるアサリ漁師さんの
団結はますます高まっていることを報告いたします。
応援をお願いいたします。

※取材協力:浜名漁協採貝組合連合会
浜名湖のアサリ復活 アサリ種苗

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