南浜名湖は海の産地、この春に激減した浜名湖のアサリを復活
させようと、アサリ漁師さんの組合「浜名漁協採貝組合連合会(
山本兼三会長)」は、全国初の漁師によるアサリ人工種苗に挑戦
し、四ヶ月、9月25日その成果を浜名湖に放流しました。
浜名漁協アサリ種苗センターに近い浜名湖乙女園から放流場へ
と向かいます。
浜名湖の秋、弁天島の夕日の名所である乙女園は西の浜名湖
を望むところ、乙女園の公園には西の海ではなく南を向いた観音
様が立っています。
魚籃観音(ぎょらんかんのん)です。うなぎ観音とも呼ばれる観音
様は南の海からやってくるうなぎを見つめ、浜名湖で活用された
うなぎの供養をし、供養祭の会場ともなっています。
乙女園や観月園の海には浜名湖牡蠣の棚がつくられ、冬の浜名
湖の幸、浜名湖牡蠣が育っています。
岸からかなり離れてはいますが、浜名湖のアサリ漁場には立て札
が立てられています。
残念なことに船でやってきて漁場のアサリを採る人が絶えませんが、
浜名湖では岸から5メートルまでのところで、一人2kgまでが誰でも
採ってよい貝、その他は年間育てる、護る漁業をしている採貝漁の
許可を持つ漁師さんの漁場となっています。
放流に向かうすがら、浜名湖の伝統漁「角立て漁(かくだてりょう)」
の網を降ろす漁師さんの作業を見ることができました。
定置網を夕方の海に降ろし、夜の潮で泳ぐ魚やエビ、カニなどを獲る
漁が行われています。
種苗センターで丹精に育てた種苗センター生まれの稚貝たちは米粒
大が約二万粒、小豆粒以上に育った稚貝が二千粒ほど、二回目最終
の放流がはじまります。
酷暑の夏も続けた種苗センターの成果が浜名湖でさらに育っていき
ます。
※取材協力:浜名漁協採貝組合連合会
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浜名湖のアサリ復活作戦 アサリ種苗