浜名湖のアサリ復活 卵の採集の効率化に挑む2

イチロー@南浜名湖.com編集長

2013年07月03日 15:15



浜名湖の弁天島乙女園にある浜名漁協アサリ種苗センターは、
かつて浜名湖海苔の種付け場、長く使われず荒れていた施設を、
アサリ種苗に取り組む、浜名漁協採貝組合連合会(山本兼三会
長)の役員で整備した、浜名湖の将来を育てるところです。

7月1日20:00時に行われたのは、孵化水槽で育てるアサリの卵
(ラン)の採集の効率化作業です。



アサリ集荷場に集まったアサリのうち一部は、この時期に卵と精を
放出しています。それを海水に採った容器を10時間置くことで、活
発な卵は上澄みに浮き、死んだ卵や精子は沈殿します。

槽の中で浮遊する卵を確認するのは、専門的アドバイスを行う静岡
県水産技術研究所浜名湖分場の霜村さん、全国で初めてという
漁師によるアサリの人工種苗、天然採苗の先駆者とを繋ぎ、事業の
進行を早めるよう参加されています。
暗い夜の種苗場に、浜名湖の近い将来への希望の光を全員が見
つめています。



活発な卵を上澄みから採集し、孵化水槽に放ちます。
ここから現在6基ある孵化水槽の水換えのローテーションを行い、
浮遊幼生を育て、やがて稚貝となる着底幼生へと育てていきます。



採集した卵、孵化槽での幼生、稚貝育成槽の観察を行うのが、採貝
組合連合会の西山副会長(左)と、霜山さん、観察経過を幼生観察
ノートにつけ、種苗作業の方法を常に探り、改善しています。

孵化水槽に入れる濾過前のサンプルを顕微鏡で見せていただきました。
そこには多数の活発な丸い卵が見えています。
クルクルと動くアサリの卵を効率的に集め、育てることで効率化を図る
取り組みが続けられています。

※取材協力:浜名漁協採貝組合連合会
浜名湖のアサリ復活作戦 アサリ種苗

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