舞阪港かくれんぼ これってなあに
舞阪港の問屋(舞阪では魚の水揚げ・競り場を問屋と呼ぶ)さんで
のっぺらぼうの真っ白けを見つけました。
目もなくてちょっと怖いですね。
ひっくり返してみれば、さてこれがあの「シタビラメ」です。
舞阪では「チュウセン」と読んでいますから、市場でみかけたら「チュ
ウセン」のほうが通りがよいお魚です。
一見、目もないように見えるチュウセンですが、ほら、このとおりつぶら
な瞳がちゃーんとあるのです。
※これはアカジタと呼ばれる近似種
シタビラメといえば「舌平目のムニエル」など洋食によく用いられるお魚
です。
そこで港でお魚を教えてくれる先輩の女性の子供の頃のエピソードを
お聞きしました。
「家はね魚屋で忙しいでしょう、子供の頃は売れ残った小さなチュウセン
の煮付けばかり食べさせられて、いやだったわあ」
「大人になって洋食のムニエルに使うお魚だと知り、シタビラメと呼ぶ高
級なお魚だと知ったのよ」
まだね、東名高速道路ができる前はね、東京と大阪を観光する外国人
旅行者がよく弁天島に泊ったの、その日はこの魚が売れて、ムニエルに
して食べてるって聞いたのよ」
顔もないように見えるこの魚、和食ではお馴染みではありません。
舌に見えるから「ウシノシタ」などとそのままの名でも呼ばれることがあり
ます。
市場では裏返されて、白い葉っぱのように並べられるシタビラメはチュウ
センと呼ばれて売られています。
※取材協力:浜名漁協
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