舞阪港を早暁5時に(このレポートは4/15のもの)出漁した舞阪
港のシロコ船(しらす漁船)第一冨士丸はいよいよ水揚げに戻り
ます。
遠州灘から今切口を過ぎ、向こうに弁天島のホテル群マンション
群が見える頃、船上はギリギリまでデッキ下のカンコウで冷やし、
鮮度を保ったボウラのしらすがデッキに並べられていきます。
冨士丸が獲ったしらすはまもなく港へ降ろされて鮮度のリレーが
はじまります。
遠州灘から船へ、船のカンコウからデッキへ、港で待つ漁師さん
の家族の女性たちへ、競り場へ、加工業者さんへと鮮度のリレー
が続いてゆくのです。
船が着けばボウラ三つを積む台車を持って港の女たち、漁師さん
のご家族が群がってきます。
お父ちゃんの、お兄ちゃんの夫の獲ったしらすを、競り場にいち早
く並べるために助けているのです。
ボウラは30kg以上の重さがあります。水揚げする男たちは次々と
台車にリレーし、女たちはその重いボウラを競り場にズラリと並べ
ていきます。
港は力持ちで明るい女たちの声が響きます。
鮮度のリレーは競り人(札読み)に仲買さんに渡され、札が入り、
野太い声で船ごと全ての量の合計金額と競り落とした名が告げら
れていきます。
落とした仲買(加工業者さん)はトラックを呼び、しらすを積み出して
いきます。港の女たちはそのトラックに積み込んでリレーを終えます。
そしてここからは加工業者
さんが新鮮のバトンを持って走りはじめる
のです。
※取材協力:冨士丸