70年続けた漁師を引退した加茂武さん(西区雄踏町)
浜名湖雄踏市場(浜名漁協雄踏支所)で毎朝浜名湖の漁や魚のことを教えていただいた大師匠の加茂武さんが8月31日、70年の漁師生活を終えて勇退。
その後2か月、引退日に静岡新聞の掲載「
浜名湖で70年 雄踏の名物漁師85歳加茂武さん後進に道を譲る」に続き、静岡新聞の人気記事「この人」に紹介されましたので転載して紹介させていただきます。
70年続けた漁師を引退した加茂武さん(西区雄踏町)
浜名湖で漁を始めたのは戦後まもなく。いつしか地元の雄踏市場でも最年長の”名物漁師”となり、引退の地は隠居生活を楽しみながら地元の漁業を陰ながら見守る。85歳。
漁師になったきっかけは。
「乳の漁業を手伝う形で始めた。帆掛け船で網を引くうたせ漁で始まり、たきや漁や角立て漁もやった。手こぎ船だった時代から徐々に船外機が広がった。ずいぶん楽になった。」
どんな魚が取れたか。
「主にクルマエビ、ワタリガニ、ウナギなど。昔はたくさん取れた。今は量が減り、大きさも小さくなった。クルマエビの数はおそらく10分の1以下ではないか。取れる種類も時期も昔とは違う。振り返れば環境は大きく変わった」
引退の理由は。
「漁の権利は3年更新なので、今年で若い漁師に譲ることにした。多少はまだできると思うが、事故があっても困る。寂しい気持ちもあるが、そろそろ潮時ということ。後継の漁師にはいろいろと伝えてある、今後も、網のつくり方など聞かれれば教える」
漁の魅力は。
「自分で考え、自由にできること。仕事は一年中ある。季節によって取れる魚も変わるし、面白い。浜名湖が近くにあるのは恵まれた環境だった。浜名湖に感謝している」
祖父が東京で働いたことから、屋号は「東京屋」
※最後に私から、静岡新聞社浜松総局金野さまのご取材・掲載に感謝いたします。
そして勇退後も毎朝市場でお会いする加茂武さん、いつまでも師匠でいてください。
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