舞阪でお山といえば岐佐神社のこと、28段の石段の上の境内で打ち鳴らされる大太鼓が夜の舞阪に響き渡っています。
西町年番の年の終わりの22:40分、最後尾で神の供した昨年の年番仲町が残り3分の太鼓を響かせます。
大太鼓の横から残り1分を知らせる手があがれば大太鼓打ちはますます加速する、この大太鼓打ち納まれば今年のまつりは終わってしまう。
大太鼓打つ響きは加速し打ち手は交代を繰り返し、最後のひと打ちを飾ろうと競います・
大太鼓上の青年がいよいよシートを持てば打ち終わりがやってくる、境内を埋めた氏子はその時が少しでも先であるように、まつりがまだ少しでも続くようにと見上げています。
「五、四、三、二、一!」
大太鼓にシーとが落ち、まつりと大太鼓は同時に終わり、舞阪は瞬間に音が消えてしまう。
そして「ワーッツ」と声をあげて抱き合いハイタッチしあいしてまつりを成し遂げた達成感がやってくるのです。
向こうに灯る西町の提灯の年の終わり、耳にはまだ大太鼓が響いているように思えます。
その瞬間に大太鼓を囲んだ氏子は神社に殺到します。中には年番西町、来年の年番砂町衆、氏子総代など役員が座っています。
まつり終了すれば年番渡しのはじまりです。
なぜに神社に殺到するか、そこに女性が多いかは年番渡しの供物である柿にあります。
この柿を食べれば良縁を得る、舞阪の女衆はきっとこのまつりが似合う男との良縁を願っているでしょう。
22:50分、耳にはまだズシーンズシーンと体を震わせるように響いた大太鼓が聞こえている気がしています。
岐佐神社の石段を降りれば、新しい年がはじまろうとしています。来年年番の砂町の年がやってきます。
※本まつりの経過を追ったこのお話はエピソードコラムに続きます。
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岐佐神社ホームページ
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岐佐神社祭典2016(西町年番)
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岐佐神社祭典2015(仲町年番)
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岐佐神社祭典2014(新町年番)
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岐佐神社祭典2013(砂町年番)
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岐佐神社祭典2012(西町年番)
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岐佐神社祭典2011(仲町年番)