浜名湖牡蠣 うず高く積む船
舞阪港近く、旧き渡しが今も残るところ、雁木(がんげ)はこの
季節牡蠣が着く渡しです。
早暁より牡蠣棚から船に山と積んで戻った漁師さんが牡蠣をはず
しはじめます。輪っかにゴツゴツと岩のように提がる牡蠣をハン
マーで落としていきます。
牡蠣棚で岩のように大きく重く育った牡蠣は、引き揚げられたも
しらずにその間に小さなカニなどを含んでいます。
それを知る鳥がやってきて、ガツンガツンと崩す牡蠣の間から
獲物をついばんでいます。
牡蠣漁師さんの仕事は寒い朝からはじまる重労働の水揚げです。
船首から足元に崩したゴツゴツ牡蠣を、金網タモにスコップで
よいしょと入れ、岸の丸ボウラに積み上げます。
遠くで見ればまるで岩のよう、近づいて見てもその重さはやはり
岩のようなのです。
おいしい浜名湖牡蠣の水揚げはこの季節の南浜名湖の風物詩、
その景色は汗びっしょりの漁師さんの仕事の様子なのです。
おいしい牡蠣が浜名湖から食卓への旅に出るはじまりの風景な
のです。
取材協力:カネ幸 堀内さん
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