舞阪漁港の鳥の取り分 カモメ・ユリカモメ

イチロー@南浜名湖.com編集長

2018年11月26日 19:05



陸(おか)から見れば水平線辺りの200mもの深海に網曳く底曳き漁船の共榮丸が舞阪漁港に水揚げに戻れば、その船について多くの鳥たちがやってきます。

カモメやユリカモメたちです。

何故ならば、それは鳥たちの取り分を共榮丸の漁師さんからもらうため、沖でも沖から戻った舞阪漁港でもよいことが待っているのです。



深海に網を曳き、深い海底のなんでもかんでも混獲する底曳き漁では、網を揚げてからがひと仕事、デッキに置く選別台に魚もエビも混ざった山にあけ、そこから水揚げするメヒカリやアカスエビやアカザエビや、さまざまな深海の幸をより分けます。

そして水揚げしない小さな深海魚や売るには適さない魚たちを漁師さんは船べりから海へ還します。
その一部がついてくる鳥たちの取り分です。



カモメの水兵さんは白い帽子に白いシャツ、白い服。カモメは白服だけでなくじつはさまざまな色のシャツを着ています。
その中でも清潔な白いシャツを着た小さな鳥たちはユリカモメです。



沖の漁場から舞阪漁港まで着いてきて待つカモメたちは最後の取り分を待っています。舞阪漁港に備えた選別台の上にもあけた山のような魚やエビの中に混ざってやってきた小さな深海魚を最後に分けてもらうのです。

カモメは飛んできてはクチバシで素早く魚をくわえては飛んでいきます。もちろん波にチャプチャプと浮いては魚をついばみます。
舞阪漁港の高い空にはトンビたちも多く舞っていますが、トンビたちは足のツメで掴みとるだけ、海には浮かべません。

けれどもう少し冬が近づけば浜名湖はカモメより大きな群れでやってくるカワウたちの海となります。

カワウは飛ぶことができ、チャプチャプ浮くことができ、さらに潜ることもできるまさに魚の漁師さんたちです。

カモメたちは鳥の取り分をわきまえていますが、カワウたちは自ら漁する漁師さんたちです。でもその群れの中にしっかりと取り分をもらうカモメたちもいるのです。

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