舞阪漁港底曳き漁のフエカワムキ・ソトオリイワシの仲間

南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖の最南端の舞阪漁港は静岡県では珍しい底曳き漁の水揚げがある港です。

陸（おか）から見れば水平線辺りの200mもの深海に網曳く底曳き漁は舞阪名物のメヒカリや舞阪の甘エビことアカスエビやアカムツなど深海の幸を水揚げしています。その網に小さな深海魚たちが混ざります。

フエカワムキです。

長く伸びた吻（ふん）の先のおちょぼ口を持つ魚の多くに「フエ」という名がつきます。フエカワムキは捕食されないようにでしょう、ヒレがまるで針のように進化し、このように手の平の上で立たせることができます。



遠州灘の沖は相模湾や駿河湾同様の深みがあり、光も届きにくい深海に棲む魚が底曳き網に混ざります。
ソトオリイワシの仲間です。

薄紅色の美しいイワシの姿をしたこの魚は深海の魚の特徴を持っています。腹にズラリと並んだ発光器です。

深海の魚を紹介する番組などを見れば発光器の使われた方はさまざま、深海から見上げれば薄い光の中でもシルエットが見えてしまう。そこで発光させることにより姿を見えにくくする場合もあるそうです。

舞阪漁港の秋から冬、そして5月まで続く底曳き漁で深海のうまい脂を持つ魚に混ざり、こんな不思議な魚たちが揚ります。

※舞阪協働センターの１Fホール前の舞阪の自然を守る会の展示で舞阪漁港の深海魚写真を12枚展示しています。お近くの方はご覧ください。

浜名湖の市場・舞阪漁港の水揚げ状況は「海老仙　浜名湖遠州灘の魚介類・うなぎの販売」をご覧ください。

※取材協力：浜名漁協　舞阪港共榮丸
※舞阪港の深海魚
※共榮丸一艘曳き底曳き漁