漁徳丸 遠州灘沖でアカザエビを食う

イチロー@南浜名湖.com編集長

2011年07月27日 11:20



「明日は大丈夫そうだから行こうか」

漁徳丸のエージ船長は素人の弁天小僧が船酔いしないように同
行日の灘の様子を気遣っていただけます。

重量級の漁具を積んで深夜2時の遠州灘沖に一人で向かうハード
な仕事は素人には手伝うことなど思いもよらない作業です。

「水分補給はしっかりしてよ」、飲み物は魚を持ち帰る大量の
氷の中に埋けて飲みつつ向かう沖は逃げることができない船の
上、夜明けとなれば猛烈な暑さが襲うところです。

舞阪沖8.5マイル、水深は150メートルから200メートルと中深海、
そこに広げた三枚刺し網をあげて手長エビことアカザエビを狙
うのです。



「食べてみる?」エージ船長の誘いに「もちろん!」と答えな
がらも、危険な漁の成果をいただくことに感謝します。

エビはカニ同様何度が脱皮して大きくなります。獲れたエビの
何匹は脱皮したばかり、殻が柔らかく網でつぶれてしまうもの
があるそうです。

でもきっとこれはご厚意でいただいたもの、ありがたく醤油を
垂らしていただきます。

深夜2時オープン、舞阪沖へ8.5マイル、巨大船の航路上で作業
を見守り朝を迎え、この時間7:37分、そして一匹のアカザエビ
を生剥きでいただく感謝です。
(これほどまでしないと食べられませんヨ)

流行の言葉で言えば「甘い」海の香りとキトキトのエビの身。
船長は忙しく網のとりこみ中、青い空の下でいただく特別な
エビは特別な味を感じていました。



次々と中深海から揚がる魚はどれも目玉が大きく、水圧の変化
に驚いた目をして揚がってくる。
空は澄み渡り、鳥が海面スレスレに飛んでなぶらを狙う。

夏の太陽の下で操業するキツさと水揚げの喜びの両方を味わ
っていたのです。

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