漁徳丸 遠州灘沖 タコ 水フグと出会う
深夜2時に舞阪港を出港して真っ暗な海を進み、日の出と共に
網を降ろして重労働をせども、水揚げは7時前からとなる。
既に5時間、また陸(おか)では人々が目覚める時間に遠州灘
沖は水揚げの時を迎えます。
「水ダコ」です。
キツイ仕事があるから、漁をする男たちは常は冗談を言い合
い明るく笑い飛ばしている。
漁徳丸のエージ船長も同じです。
美しい夜明けの沖を見せようと波静かな日を選んでいただいて
共に朝に水揚げを迎えたのです。
「おや、張り付いちゃったよ」エージ船長がおどけていいます。
水タコが作業用のカッパズボンにはりついて「ブーラブラ」
二人でドッと笑う時間がありました。
「これは水フグ」、漁徳丸の船着場で見たあの今回の旅のきっ
かけとなったおもしろい形のフグです。
面白いことに水フグは縁日のポンポンのように腹に水を蓄えて
います。それがゆらゆら揺れるのが見えるほど膨らめています。
小魚は網からはずさないのですが、これを船長はなるべく外す。
膨れた水風船みたいですから網に巻かれるとパチンとはじけて
しまうのです。不思議な魚でしょう。
今回の漁の対象はもちろん浜名湖の美エビ、舞阪で手長エビと
呼ばれるアカザエビです。
長い手を持つエビが網にからんであがってきます。
ゆっくり巻く網をとめてはエビをはずしてゆくのです。
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