深い海の淵から THE DEEP SEA10 セノテヅルモヅル

イチロー@南浜名湖.com編集長

2011年07月25日 19:14



舞阪港から沖へ、150メートルの中深海から三枚刺し網での
漁にはさまざまな深海の魚が揚がってきます。

美しい桃色に光るアマダイ、長い手を持つ手長エビなどを
中心に揚がる中に時に奇妙なものがかかってきます。

網に複雑にからみつく茂る枝の様相を持つセノテヅルモヅ
ルはじつは生き物です。
船長に言われるまで深海の植物をそのままに絡んだものだ
と思えば、それは動いている。

船長が見せたこれは細かく枝分かれした「触手」そのもの
なのです。



異形のものを見ればヒトは怯えを感ずる。
脚が異常な数を持っているもの、脚がないものなどを見れ
ば異形を感ずる。
このセノテヅルモヅルは脚でもなく枝分かれまでした触手
が網の細かな目までにからみついて揚がってきた。

これはその名も恐ろしいクモヒトデの類である。

からみついた枝を持つ触手はゆっくりと動くうごめくよう
に動く、網から外すことなど思いもつかぬほどに絡んでい
る。

船長はこれを枝を折るように壊してゆくのみである。
まるで枯れ木のように折れてゆくこの触手生物は中深海の
異形の魔である。

写真のみ、とても触ることなどできぬ異形である。

取材協力:漁徳丸

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