「ゴンゴンゴンゴン」船のディーゼルエンジンはうなり舞阪港
近くの岸壁を離れた5トン級の漁船は深夜0:30の浜名湖を行く。
南浜名湖あそび隊!内。あやしい探検隊は前日の浜名湖今切口を
行くシラス漁船団の撮影を終え、「船団」のエンジン音響く海
に大コーフンしていたのです。
そこに一人の男が誘いの言葉をつぶやいた。
「南浜名湖あやしき探検隊よ今切口を抜けて海へ出よ」
探検とはまず現場を体験して体感することである。海のことを
書くならば海の漁を知らずして探検隊とは言わず。
体験してみるかい、と誘っていただいたのは千葉丸、待ち合わせ
時間は深夜0時、貸していただいた漁師用の防水服、救命胴衣を
キリリと締めれば気持ちが引き締まるのです。
昨日見たばかりの今切口を海に向かう勇敢な船に、今度は自分が
載っている。ゴンゴンゴンゴンのエンジン音は耳だけでなく体に
響いているのです。
向かうは潮見坂沖、前日仕掛けた刺し網をあげて遠州灘の魚を
引き揚げに行くのです。
千葉丸の大場船長は海の男である。
ゴウゴウと船を走らせ沿岸沿いに網を仕掛けた場所に到着し網を
揚げ始めるのです。
「大丈夫かい」「ハ、ハイ」
刺し網漁は巻き取るのに1時間もかかる長い網を海に長く開き沈
め、そこを泳ぎ通る魚をからめとる漁法です。
網の巻き上げが始まると早くも下平目(ウシノシタ)が揚がって
きます。
そして次々と遠州灘の魚たちが夜の海から揚がってきたのです。
つづく。