舞阪モチガツオ 床を埋める黒潮の子

イチロー@南浜名湖.com編集長

2016年05月24日 11:15



南浜名湖は海の産地、浜名湖の最南端の舞阪から遠州灘につながる今切(いまぎれ)を抜け、遠い南の黒潮や枝潮を北に走るカツオを求めて出漁する舞阪港のカツオ船団が凱旋すれば、カツオは市場の床に群れとなって並びます。

黒潮を走るカツオは一本づつ曳き縄をたぐって揚げた漁師さんの手で即締められることからモチガツオに変わります。
擦れて傷にならぬようぶ厚いスポンジのベッドに寝かされ水氷で凍らせないように運ばれてこそ、あの食感のモチガツオとなります。



モチガツオはあらかじめ浜名漁協のスタッフのみなさんが海水で洗い清めた床に並べられます。
全てのカツオが見えるように大きさを揃えて列に並べたカツオに列の総重量の札が貼られています。



黒潮を泳ぎながら育つカツオたちは若い初ガツオ、舞阪に揚がるモチガツオはほぼ1kg台の大きさ、その中に希に大ガツオが混ざります。

先週は同じ海域でさらに大きく重いキメジも揚がり、初夏の訪れを告げています。



水揚げから口に入るまで全てが走るほどのスピードで楽しむモチガツオは、カツオ漁師さんが到着する度に競られていますが、途中活マダイを水揚げするタイ網船などが入れば中断します。

市場は活かしと呼ばれる活魚が最優先、続いて競られるカツオはズラリズラリと市場の床を埋める巨大な群れとなっていきます。

仲買さんは仲買さんに落札を依頼する魚屋さんや料理人さんはカツオの群れの中を行く。

落札されればアッという間に行き先が決まり、群れは散り散りとなりモチガツオは舞阪から出発する。
モチガツオは一早くお店に運ばれ、並び造られて愉しむ口の中へと消えてゆく。

舞阪はもう既に夏の暑さ、さらにモチガツオを求める熱気が加わる。

ただ一本いっぽんのモチガツオだけは冷やされすぎずやわらかいまま、それはそれは大切に運ばれてゆくのです。

※取材協力:浜名漁協 舞阪港のみなさん
舞阪港のお魚さん
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