春のうららの陽を浴びてピチピチと弾ける魚を見ることができるのが
舞阪の港です。
釣り魚が美しいと言われるのは海から揚がったその瞬間を見ること
ができるから、舞阪港に水揚げに戻る鯛網漁の魚たちがさらに美し
のは船に遠州灘の小さな海をそれぞれ持っているからです。
舞阪港に鯛網漁船の「
裕丸(ゆたかまる)」が入港します。
船首デッキで漁師さんが蓋を開いているところが「
カンコウ」と呼ばれ
る船の生簀、酸素と流海水を満たした小さな遠州灘です。
開いたカンコウを覗けば遠州灘で泳ぎ、深い海の底に棲む魚やカニ
たちが現れます。
中にはカンコウの縁に脚をかけている大型のカニ「タカアシガニ」を
見ることがあります。
その下には悠々と赤いマダイ、黒いクロダイたちが泳いでいます。
水揚げに戻る船ごとに覗いていけば、時には美しい蝶のような羽(ヒ
レ)を持つホウボウを見ることもあります。
カンコウの蓋が開けられる度に遠州灘を泳ぐ魚そのものを見つけるこ
とができるのです。
遠州灘を泳ぎ、私たちの食卓までに届く魚たちの最前線が海の産地
舞阪港、南浜名湖の港なのです。
※取材協力:浜名漁協 裕丸のみなさん
南浜名湖あそび隊!のまとめ読みは
南浜名湖.comをご覧ください。