舞阪港 イカ同文
舞阪港の堤防あたり、舞阪の釣りで人気がありますイカと浜名
湖に棲むタコがなにやら口争いをしております。
「このタコ野郎、お前など頭しかないじゃないか!」
「このイカ野郎、お前など頭もないじゃないか!」
確かにたしかに、タコには頭があり、イカには頭のようなもの
がありません。
さて、海のもの同士、決着をつけようと喧嘩じたくをはじめました。
タコは頭にくるりとハチマキをして勇ましく、イカは頭がありませ
んから腹にぐるりと巻きまして褌(ふんどし)を締めた。
さて、口げんかが再開いたします。
「タコめ、お前なんか足が八本しかないだろう」イカが言えば、
「イカめ、お前の足はゲーソゲソ!」と負けていません。
そこへ仲裁に入りましたのが舞阪の老漁師さんです。
「海のものは仲良くしなくてはいけないよ」
それでも決着を迫るイカは真っ白になって怒り、タコは真っ赤に
なって怒ります。
ならば決着をつけてやろう、漁師さんはタコを見て言います。
「タコはスミを吐いて黒星くろぼしで負け~」
イカは喜びますが、漁師さんひとこと
「イカもイカ同文!」
決着は双方スミを吐いて黒星同士、それなら仲良くしようと共に
海に帰っていったそうな。
めでたし、めでたし
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