舞阪港の午後、さまざまな魚を水揚げする底曳き船が戻ってくると
その船の中の、もうひとつの海を覗きこむ楽しみがあります。
船の上には氷絞めされたさまざまな魚が大樽に並んでいます。
舞阪名物のメヒカリや美しい赤のチョーカなどカサゴ類が獲れたこ
とがわかります。
そして仲買さんや、漁協のみなさんと開けられるカンコウ(生簀)
を覗きこむのです。
カンコウには「活き」で運ばれてくる魚たちが入っています。
カンコウから出された大きなタコがボウラから逃げ出そうとしていま
す。
隣のボウラに揚げられたタカアシガニもタコに誘われて一緒に逃げ
ようとしています。
タコは吸盤の足を伸ばしてズルズルと、タカアシガニは長いながい
脚をちょっとびっくりするほど巧みに動かして逃げ出そうとするのです。
海からあがったばかりのタコやタカアシガニを見るのは漁師さんです
が、このもう一つの海から揚がる様子は舞阪港で見ることができるの
です。
※取材協力:浜名漁協」