南浜名湖は海の産地、全国でも珍しい海につながる浜名湖は夏の美しい潮を利用して海の魚が行き来し育つ、海ともいえる湖です。
浜名湖の幸が集まる雄踏(ゆうとう)港市場には700種を越えるという浜名湖の魚の一部が水揚げされています。
その中にはとても醜い魚がいます。オコゼです。
オコゼといえば写真のようにどこに目があるかもわからないほどのデコボコの顔、おどろおどろしい姿をしています。
魚の中で最も醜いと言われてしまうほどの姿です。
昔話にも醜いオコゼの話が出てきます。豊かな山の村を支えていた山の神は女の神様でした。
ある日豊かな田んぼを見回った神様は水に映った自分の顔の醜さが恥ずかしくなり隠れてしまいました。
困った村人は神様より醜いものを奉納すればとオコゼを納めます。神様はあまりに醜いオコゼを見て笑い、機嫌を直したといいます。
オコゼは見た目とはまったく違う美しく透きとおるような身を持っています。
その前にオコゼはとても危険な魚でもあります。背ビレの先が鋭いハリのようになり猛毒を持っています。
浜名湖の幸を水揚げする漁師さんは混ざって獲れるオコゼに注意しています。
気づかずに触れば激痛を伴う毒バリに傷つけられます。
民間療法としては人が持つアンモニアが効くとか、それでも病院に行くほどの毒を持ちますから扱いには注意が必要です。
浜名湖には山の神にも笑われた醜くもおいしいオコゼが棲んでいます。
※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
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浜名湖生き物みつけ隊!
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雄踏港市場のお魚さん