南浜名湖は海の産地、五月からはじまる浜名湖のエビの季節はサイマキこと天然クルマエビと共にボソの季節がやってきています。
浜名湖でボソと呼ばれるのはヨシエビ、クルマエビのような縞はなくやや黄色オレンジ色をしたボソは、この季節クルマエビより大型に育っています。
殻いっぱいに身を詰めたボソはクルマエビが料理店用であるとすれば家庭用、浜名湖の地エビとして愛されています。
活エビとして扱われるサイマキとボソ、ボソの特徴はサイマキより跳ねる力が強いこと、サイマキと混獲されたボソを選別しようと掴もうとすればピン!と跳ねて跳ぶ。その際に頭の上の角や硬い殻で指を痛いほどに傷める。
落札されたボソを籠に入れて生け簀に入れようと沈めるとピンピンザワザワと暴れては飛びだそうとする。
サイマキことクルマエビより生命力に溢れ元気なエビといえるボソたちです。
大きなものはサイマキほどの値段をつけるボソはやや小さければずっと求めやすく、硬い殻を持つものの生のまま剥いて食べれば甘く天ぷらでは絶品となる浜名湖の隠れた幸の一つです。
六月となりサイマキ・ボソなどエビ類の水揚げが本格化した雄踏港市場では、早朝の競り前にエビを選別する漁師さんの姿を見ることができます。
エビ類は大きさ別に大・中・小に分けられまたボソなどに分けられて籠に入れて競り単位となっています。
こちらがサイマキ(マキ)ことクルマエビ。
浜名湖の初夏はエビの季節、また季節によって水揚げされるエビの種が変わっていきます。
この季節はサイマキやボソ、時にはシバエビが、真夏となればサイマキは減りアカアシエビが登場します。
アカアシエビと共に浜名湖最大のエビであるクマエビが混ざるようになります。
海とつながる浜名湖はエビの海、春に海から流れ入るエビは浜名湖で大きく育ちやがてまた海へと流れ出てゆくのです。
※取材協力:浜名漁協雄踏支所 雄踏港の漁師さん
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雄踏港市場のお魚さん