南浜名湖稲光 赤鳥居大鹿現る

イチロー@南浜名湖.com編集長

2013年07月27日 21:15



海からゴロゴロと音が響けば、遠州七不思議のひとつ「波小僧」が
明日の天気を知らせているのかと夜の海を眺めます。
南浜名湖弁天島の海には、夜は赤鳥居が光りの中に浮かんでい
ます。

昨夜のゴロゴロは雷がやってくるゴロゴロ、稲光が海を一瞬に浮か
び出す、ワクワクするような時間を過ごします。

「オレはな、子供ん時、雷がなるとうれしくて雨の中でも飛び出して
いったもんだよ」、今朝の話題は昨晩の稲光、漁師さんが話します。

「台風が近づくとソワソワうれしくて、蝋燭でも出したら興奮して眠る
どころじゃないんだ」、子供に雷も台風もうれしいもの、停電になり
蝋燭を囲んで家族が集まるような夜は、被害がない限りうれしいも
のなのです。

赤鳥居の空高く、まるで稲光を見事な角にした大鹿が現れます。



大鹿が去った後も、空に伸びる稲光は続きますが、浜名湖の伝統
漁たきや漁の漁り火も、今切に浮かぶエビすき漁の光も灯ったまま、
浜名湖の夜は、夜も漁する、楽しむ船が浮かんでいます。

稲光の大鹿たちはそれを察したのでしょう、南の洋上を浜名湖に近
づかないよう東へと去っていったのです。



ゴロゴロと転がる音をさせながら、時に明るく海を照らして稲光は去
って行きました。

「イタズラして親に押し入れに入れられただろう、オレは押し入れの
中ですくに寝ちまうんだ、こいつは図太いからこれじゃあだめだと、
が呆れてたよ」

漁師さんと共に大笑いする朝、いつまでも少年を持つ僕らは、もっと
盛大にゴロゴロさせて、大雨が通り過ぎ、停電でも起きていたらと
思っていたのです。

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