南浜名湖雄踏(ゆうとう)港の競りは早朝に行われます。
雄踏や村櫛の漁師さんが水揚げをする「浜名湖もの」の市場は、
船から魚やエビ、カニが降ろされて並べられていきます。
「ギョロリ」とした目に目があってしまったのは、コウイカです。
胴体に大きな骨(フネ)を持つコウイカは、アオリイカと共に人気
のあるご馳走イカです。
墨を吐くことからスミイカとも呼ばれています。
さて、コウイカさん、ようく見るととてもオシャレなことがわかります。
おいしそうでスタイル抜群のコウイカ姐さんの着物はよく見れば
「小紋」のようです。
型染めした模様をつけたシックな着物は、よく見るとその粋さが
わかるという隠れたオシャレ着が小紋の着物です。
この模様、どうやら「キスマーク」のようでもありますぞ。
(最近風に言うと オサレだなあ)
どうにも色気があり「食い気」を誘うコウイカの姐さんに見つめら
れるとドキッとしてしまいますね。
「ハイッ (落札値)(落札者)!」
元気のよい札読み(競り人さん)の声で値がついたコウイカ姐さん
は袋の中、「これはオレの晩酌の肴」なんて声が聞こえます。
小紋のオシャレなお姐さんは、ちゃんと冷やされて袋の中、ご馳走
の肴として買われていきました。
※取材協力:浜名漁協雄踏支所