南浜名湖 カワウの取り分

イチロー@南浜名湖.com編集長

2012年03月19日 14:15



舞阪港を出港したサヨリ船団が港に戻る午後、港には仲買さんも
料理屋さんも競りのために集まってきますが、入港する船について
多くの鳥たちもやってきます。

ウミウやカモメたちです。

入港してサヨリを水揚げする船を見上げながら海を泳いで待つの
がウミウたちです。

この鳥の漁師たちは貪欲で、頭もよく、まわりを泳いでは「取り分」
を待っています。



船の上で競りのためにサイズ別に仕分ける漁師さんが、ポイポイ
と海に放るのがダツたちです。

それを拾ってはウミウはご馳走になっているのです。



これが「ダツ」です。

サヨリの網に混ざって入るダツは海のギャング魚です。
この鋭くズラリと並んだ大きな口と歯で泳ぐ小魚をガブリといく、大き
くなれば突進してくるその危険さに、ダイバーの大敵とも言われてい
ます。

そのダツもウミウにかかればひと呑みでエサとなる。
こんなに長いダツですが、カワウはヒョイヒョイとくわえ変えては呑み
込んでしまいます。

一日何キロもの魚を食べてしまうというカワウは漁師さんを困らせま
すが、競りにかけられない魚ならば、漁師さんは敵にも塩を贈る。

舞阪港の賑わいと共にカワウたちも取り分を増やしてゆくのです。

※取材協力:浜名漁協

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