舞阪高足ガニの味噌にはまる

イチロー@南浜名湖.com編集長

2011年03月30日 20:18



弁天島、舞阪の居酒屋の開店時間は早い、夕暮れを待つまでも
なく暖簾がかかっているのを見れば「グビリ」と喉が鳴ってし
まうのです。

JR弁天島駅から東海道を渡り、舞阪港方面へ弁天橋を渡れば
すぐ右側にさかな食事処の「てっちゃ」があります。

カウンターの向こう側に赤白だんだら縞のものがある。
じつは舞阪は高足ガニが揚がる港です。海のもの浜名湖のもの
と大抵の魚があがるから、魚っ食いは楽しみが多いのです。

飄々とした「てっちゃ(オヤジさんの名)」が「味噌いくかい
?」と聞かれたらもう今夜の肴は決まるのです。

深い海の底をゴソゴソ・・・高足ガニだからギャシャガシャ
歩いていたら底引きに掬われて舞阪のみなさんコンニチハと
市にかけられる。

その数匹をてっちゃが買い、バキッメキッと甲羅を開かれて
チョイチョイと鮮やかに味噌を掻きだしてしまう。



「ホイ、おまち」の鉢と熱燗がやってくるのであります。

「うまいのぉ」と急速に地元言葉となるほどの味、カニ味噌
の甘みは熱燗二合と共に人の体を溶ろけさせる危険な味なの
だ。「舞阪のだもんなぁ」

さらに熱燗一合を追加しつつ、さらなるDEEPな舞阪魚との
出会いを求む。

ときにてっちゃ、「まとう」ってなにさ、とメニューの「ま
とう」を指差せば、「マトウダイだよ、ちょいと待ちな」



タイっていってもな、こんな魚なんだけど、日の丸がついて
るのが目印なのさあ」

初めて見る魚との出会いは熱燗をすすめさせてゆく。
急速にマトウダイ方面に向かうかと思えばさにあらず、土曜
のランチで食べたあさりのミルク味の身の話となる。

さて女将さんが聞きつけて何かを作り出す。
カウンターの常連さんが目ざとく見つけて「出してやりなよ」
と笑う。

てっちゃの肴はオススメ以外に常連さんが「食わしてやれ」肴
が登場するのである。

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