東海道掛川と島田の境、かつての日坂宿は小夜の中山の峠に向
かう宿場として栄えました。
日坂から南アルプスの南限と言われる粟ヶ岳は、掛川の中山間地
と呼ばれるよい茶の出処です。
南浜名湖.comが取り組む春のミッションのひとつが、深蒸し茶の里、
東山の茶を取材すること、その広報を担当しています。
昨日は新茶に被服をする「かぶせ茶」の生産日、みる芽萌えるお茶
の山を歩きました。
お茶摘みは二人ひと組で茶摘み機で行います。
畝の片側のみる芽(やわらかい茶の新芽)を刈り進んで行けばお山
の茶が美しい緑のグラデーションになっていきます。
姿は見えませんがウグイスたちが鳴き競っています。
東山の茶は伝統の「茶草農法」を100年以上続け、秋から冬にススキ
などを刈り取り刻み、茶の畝の間に敷き詰めています。
茶の木の根をあたためて健康な茶が育だてるこの農法は、世界にも例
がなく、今年度掛川市を中心に「世界農業遺産」への登録をすすめてい
ます。
定期的に草を刈り取ることにより、今は少なくなったハルリンドウなどが
咲いています。
リンドウはかつてどこにでも見られた花でしたが、手が入った里山のみ
に残っているのです。
大きな草を刈った山にはワラビなどの山菜が萌え、珍しい花をその間に
見ることができます。
お茶の山はかつての里山の小さな花たちの宝庫として残されているの
です。
毎年茶摘みする様子を撮らせていただくおばあちゃん。
昨日は裏の竹林からとれるタケノコを庭で煮ていました。
「私が嫁に来た頃は道も細くてね、嫁入りの荷物は農協の小さなオート
三輪で運んでもらったのよ」と、今は整備された農道を見ては懐かしく話
してくれました。
おばあちゃん釜で炊いたおいしいタケノコありがとうございます。
五月には世界農業遺産の決定があるという掛川東山を南浜名湖.comは
応援しています。
※取材協力:
掛川東山茶業組合